(月信寺)
京阪京津線の太谷駅から京都側に四百メートルほど戻ると国道沿いに月心寺がある。当地は有名な走井茶屋の跡で、豊かな湧水で知られる「走井の井戸」がある。門は固く閉ざされており境内に入ることはできなかった。明治天皇駐蹕之處碑を塀越しに腕を伸ばして撮影した。
月心寺
明治天皇駐蹕之處
(逢坂山トンネル)
全国四十七都道府県で唯一県庁所在地が隣接しているのが、京都市と大津市である。両市が市境を接しているのが、逢坂の関である。
逢坂の関は、奈良時代から物資の集散する京都への玄関口として繁栄した。特に逢坂峠は、交通の要衝として重視された。逢坂峠から大津宿周辺は街道一の繁栄を極めた。
逢坂山關址
逢坂常夜燈
逢坂山とんねる跡
旧逢坂山隧道東口
逢坂山隧道は、日本人技術者の手で設計、施工され、山を貫く我が国初の本格的トンネルであった。全長六六四・八メートル。東海道線の路線変更によりトンネルは四〇年余りで使われなくなった。西口は名神高速道路の建設工事により埋没し、「旧東海道線 逢坂山とんねる跡」碑が建てられているのみである。
「樂成頼功」
東口側は往時の姿を留めている。花崗岩を組み合わせた坑門の上部には「樂成頼功」の四文字が刻まれている。書は太政大臣三条実美。「落成」は落盤に通じるとして「樂」の字を用いた。