『やんちゃジジイ・ゆうちゃん』のイカすセカンドライフ

我儘で『やんちゃ』な爺さんの目標は、
周りに笑顔を振りまいて、楽しくセカンドライフを生きる事。

遊び心が無ければ、いいものは生まれない・・・

2011年10月04日 | Weblog

ちょっと自慢げな話になってしまうのですが、敢えて話します。
僕は電気設計と言う仕事を生業にしています。
難しそうだな・・・って思われる方が多いかと思いますが
難しいことは全然無いのですよ。

計算と言えば、こつさえ掴めば小学生でも出来る。
中学校の理科で教わった『オームの法則』さえ理解していれば
大概の計算は安産で出来ます。
もっと簡単なのは、細かい小数点以下なんてものはあまり必要ない。
概ねの値が合っていれば、電気回路って言うのは何とか動くものなのです。

ところがその『概ね』っていうのが曲者で、いわゆる誤差の
許容範囲をどう考えるかによって、また大きく変わるのです。

その許容範囲が広いと、『無駄の多い設計』と言われたり、
逆に『応用範囲の広い設計』と言われたり様々です。
たいがいの電気回路は、調整箇所があってこの誤差を
小さくするように追い込んだりするんだけど、それも必要が無ければ
コストダウンのために省いたり・・・
つまり、誤差が少ないものを作れば、そういった調整も無く
誰が作っても同じ性能が出ると言うわけです。

今日はその誤差範囲で、あまりにも考え方が違うので唖然とした。
機械設計の人間が、コイルを作成したのだが、その出来上がりの
抵抗値の誤差範囲が±35%なんて書いてあった。

単純に『あぁ、3割の誤差ね・・・』なんて考えていると大間違い。
簡単に算数して見ましょう。
例えば100オームの抵抗値に対して±35%と言うと
一番小さい値で65オーム、一番大きな値で135オームになります。
もうお気づきでしょう?
両者の誤差はなんと一番小さい時の倍以上の値になるんです。
そして、これに電気回路で一定の電流を流そうとした時に困るのです。

もう少し中学校の理科レベルの電気の話をしますね。
オームの法則で電圧E(V)=電流I(A)×抵抗R(Ω)って教わったでしょう?
さっきの最低のものに1Aの電流を流そうとすると、電源電圧は
E=I×Rから1(A)×65(Ω)=65(V)になります。
逆に一番抵抗値が大きなものは1(A)×135(Ω)=135(V)
つまり電源の電圧が倍必要になります。
これを両方賄うことが出来る電源を作ると135-65=70(V)の
余剰電力が出来て、これが全部熱に変換されてしまいます。
つまり放熱を考えると、捨てる電力のために大きくなってしまうんです。

こういったことを考えて、誤差範囲なども設計の仕様に入れて
作るのが設計の仕事です。そのほかは素人でも出来る仕事ですね。

そういう意味で『抵抗値の誤差範囲が±35%』などと言う仕様書を書いて、
全く疑いを持たないレベルの低い奴に対して、無性に腹が立った。

機械設計なのに、機械のことを知らない設計者がいるのを見て
子供の頃にいかに遊びで、覚えてきていないなぁ・・・・って単純に思う。
科学立国なんて言ってるけど、日本の子供は知識ばかりで
体で覚えた勘や、経験的なものを馬鹿にしている気がする。
どんな世界でも遊び心が無ければ、いいものは生まれない。
学業成績が良い人間が、いかに増えても創造力ある人間とは違う・・・

なんか、同じ『設計技術者』って扱われるのに、腹が立つよなぁ・・・・

コメント
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