今日は会社に居てもつまらなかった。
研修生のレポートに目を通して、色々コメントを書き込むんだけど
やっぱり所詮は学生さん。
頭が良いのは認めるけど、今の子は自分の手で物を作り出す
そんな遊びを子供の頃からやっていないから、
応用が利かないというか、言われたことしか出来ない。
折角、教材として現物を与えて、バラバラにして壊しても良いと
伝えてあるにも関わらず、観察力が足りないと言うか、
それを元に、自分の考えを入れた新しい部品を作るように
研修では滅多に出来ない試作実験をやらせてあげているのに
本人は、そんなことに余り楽しみを感じていないみたい。
どうせ一回では上手く行かないのだから、設計の段階で
自分の考えを入れて、示してみろ・・・と言っても
結局、及第点をもらえるような詰まらない発想しかしない。
こんなもの作ってどうするの?
なんてことを言おうものなら凹んでしまうだろうし、
学生さんをそこまで追い込んでも駄目なんだろうし・・・・
僕は会社に入って、とあるペテンおじさんに育てられた。
かの超高圧電子顕微鏡の責任者だったOさん。
この日記を読んで頂いている方ならもしかして覚えているかも知れませんが、
僕が前の部署を飛び出る直前にメッセージを頂いたあの方です。
http://blog.goo.ne.jp/ug_d35_sky-gray/e/9b0b371a3cac3e68337b6f12708a7a6c
このO先輩。本当に心からリスペクトしています。
が、僕にとってはペテン師でしかありません。
かの超高圧電源は、それまで3KHzの「キ~ン」といった電源の騒音が
建屋中に響いていたのを、人間の可聴周波数より上の
20KHzまで上げたいわゆる静音電源を、僕が実験を3年重ねて
何とか電圧が発生するところまで進んでいた時のこと。
このO先輩が、北海道大学の装置にその電源を使うことで受注しちゃった。
僕はその前まで「まだ、実用には時間がかかる」と話をした時に
「そうだねぇ・・・、でもこれが使えると良いねぇ」なんて
ことを言っておきながら、裏ではこっそり動いていた。
そして受注後は、電源の性能をもっと上げろだとか、
人が一山越えると、その隙に次の課題を与える。
最初は自由に好き勝手にやらせといて、一息ついてると後の柵を
背後まで縮めるような・・・・
そっちに気を取られると、今度は反対側の柵を小さくして
気がつくと、O先輩の思う方向にしか進めなくなってる。
そういったペテンに、その後何度も引っかかって、育てられた。
その間のプレッシャーは本当にきつかったけど、結局は
そういう人によって、自分のパフォーマンスをどんどん上げていった。
僕の後継者にしようと思っている若者に、同じようなことをすると
本当にベソをかいて、弱音ばかりを吐く。
これが「ゆとり世代」なのだなって感じてしまうのです。
まぁ、そんな訳で学生さんに骨があるわけも無く・・・・
つまらない一日を過ごしているのであります。