今日は、主役の女性が稽古場まで来たものの、風邪気味で稽古が始まる前に
座長に帰宅を命じられて、主役不在の稽古になりました。
『そもそも、主役を貰っているのに風邪をひくなんて言うのは自覚が足りない』
そういう座長の怒りは、僕もわかる気がします。
この僕でさえ、芝居の公演まで風邪や怪我だけは避けるように
気をつけて生活して居ますからねぇ・・・・
それでも、去年は2月にサッカーの試合で右肩の腱板を損傷(靭帯部分断裂)してしまいました。
もう一人、台詞がものすごく多い女性も風邪で欠席。
怪物爺さんのオペラおじさんも、国技館でやる『第九』に参加するため、
今週は居なかったり・・・・・でも、他人の事は言えません。
休みこそしませんが、サッカーの試合で遅れて行くことが何回かあった。
今年は早々に大会で負けてしまったので、結果的に休まずにいるだけです。
そんな訳で座長がイラつくのも解る気がします。
今日は主役が居ないので、残ったメンバーでの稽古。
座長が『実験』と称して、いつもと違う稽古の進め方をしました。
その『実験』とは、『台詞を息継ぎせずに一気に言う』こと。
これ、実は先週の稽古で僕が座長に要求されたこと。
やってみると意外と難しい。というより、簡単にできない。
たとえば『過去の過ちのために、男の一生を駄目にしてもいいのか?』
という台詞があるとします。
これを台詞にある通り、句読点で区切って言うのと、一気に言うのでは
台詞を一気に言うと、強いメッセージになって言う時にも気持ちが変わります。
これは芝居のテンポも上がるし、気持ちもダレない。
先週、そういう宿題を出されたので、今週は1週間車で通勤して、
車の中でずっと台詞の練習をしながらの往復3時間でした。
先週、宿題を出された時に、今日の『実験』は予想していたので、
自分の台詞を出来る限り、一気に言う練習をしてきました。
一気に言おうとすると、最初は息が続かないから早口になる。
ゆっくり言うと、今度は台詞が出てこなかったり、息が切れたり・・・・
こう言うことを続けると、ある事に気がつきます。
実はこう言ったことは、普段の生活の中で普通にやって居ることだと。
たとえば口論になった時、ゆっくり話す人は殆ど居ないでしょう。
ちょっと興奮すると早口になるのは、誰もが経験するんじゃないかな?
要は、芝居だからといって普段とは違った話し方になる。
芝居って、普段何気なく無意識にやっていることを演技として
意識して自然に見せるもの・・・・そんな気がします。
無意識にやっていたことを意識すると途端にできなくなる・・・・
こんな経験は、誰もがあるんじゃないでしょうか?
今日は一気に台詞を言うことを意識しすぎて、みんな台詞がおかしかった。
僕は幸い練習の効果があって、座長から指摘されることは有りませんでしたが
今日は先週、宿題を出されたところまで行かなかったので、
明日の稽古で練習の成果を見せたいと思います。
でも明日は皆、元に戻っちゃうんだろうなぁ・・・・・