定年退職後は、自分の好きなことをやろう・・・・
そう思っていたのだけれど、意に反して仕事にのめりこんでしまった。
誰にも望まれていない会社に雇用延長で残っていても仕方がないし、
幸いにもこんな僕に声をかけてくれる会社があった。
しかも、勤務体系はほぼ自由。いや、完全に自由、マイペースですね。
そういう意味では、恵まれているのかも知れません。
正直言って、自分の好きなことをやろうと思ったのは定年直前の8月。
会社から『何所からもオファーが無かった』と言われて、
自分としては意外だったのと、逆に自信を持っていた自分が滑稽に思えて・・・・
それから、定年後は何をしようかと考え始めた。
そんな時に親父の事が頭に浮かんできた。
その当時は定年が55歳の時代。
父は損害保険の会社で営業をやっていた。
子供がまだ学校へ通うので、親父は早期退職して損害保険協会の試験を受けて
採用一人の狭き門を通過して、関東地方委員会に転職した。
父は若い頃からスポーツマンで、本当はプロ野球の道に進みたかったらしい。
でも、戦後に親兄弟を抱えて、先行き不透明な道には進めなかったらしい。
これは父が亡くなった時に、叔父から聞いた話。
苦労をしながら子供を育て、還暦を迎えた頃にやっと好きなことを始めた。
それがゴルフだった。
毎週、練習場へ通い、月に2回ほどコースへ出てゴルフを楽しんでいた。
そんな親父が、突然体調を悪くして入院。
大腸癌が末期で、入院後半年でこの世を去ってしまった。
享年63歳。短い一生だったと思う。
僕が定年後の生活を考えた時、まずは63歳まで生きようと思った。
今は元気でも、親父のように急に死んでしまうかもしれないからね。
そして、もしそうなっても思い残すことが無いように・・・・
だから、去年は憧れていたスイス旅行へ出かけた。
ところが、紅葉のスイスを訪ねたはずが平年より早い降雪で
紅葉どころか、雪山の観光になってしまった。
それも旅の醍醐味でしょうけれど、どこかに悔しさも残った。
そして、今年も紅葉のシーズンにスイスへ行こうかなと・・・・
今はテロの心配があるので、家族は反対する。
でも、僕にすれば東京に居ても、いつ交通事故で死ぬかもしれない。
お金だって、働かなくてもなんとかなる程度の生活設計をしてある。
今働いているのは、自分の事をするため。
無駄遣いも、ほとんどしていないし、使う事と言ったら子供の関係ばかり。
秋のアルプス散策。
やっぱり諦められないですね。
なんだかんだ言って、家族は僕が我儘で、
言い出したら聞かない事を知っているから、
諦めるでしょう・・・・(笑)