『やんちゃジジイ・ゆうちゃん』のイカすセカンドライフ

我儘で『やんちゃ』な爺さんの目標は、
周りに笑顔を振りまいて、楽しくセカンドライフを生きる事。

いよいよ組立開始

2016年10月21日 | Weblog

6月から構想設計を始めて、実験しながら設計した装置の機構部品が出来てきた。
いよいよ組み上げて、製品作りに取り掛かります。

以前にも書いたことがあると思いますが、この装置は特殊仕様。
ガルデンという、高分子の液体があって絶縁耐力が高いうえに
沸点が高いために、霧状にしてICなどの半田付けに利用したりと
いわゆる半導体業界で、よく使われているもの。

これをミスト状態にして使いながら、漂うミストを換気扇のようなもので
吸い込んで、それを冷えた場所を通過させるコールドトラップという方法で、
理屈の上では回収出来るのだが、その回収がなかなか上手く行かない。
この方法は、冬にガラスに空気中の水分が付着する『結露』と全く同じ原理です。

そもそも、実験をしている研究所は、その吸い込む換気扇の風量が大きいうえに、
ガルデンと言う液体のカタログに記載された『40℃で蒸発ゼロ』というのを
鵜呑みにして、ミストが普通に回収できると思っていた。
ところが、そのもくろみは見事に外れ、簡単なトラップを作って納めたものの、
風量計算や、熱交換の計算など全くしておらず、いわゆる回収しているように
見せかけるだけのもので良いと言われて作ったものだった。

もう一つ、この液体は表面張力が無いため、ちょっとした隙間に染み込んでゆく。
結果、研究所の換気ダクトの中にその液体が溜まって、他の部屋に染みだすことになった。
それで、研究所本体からクレームが付き、実験そのものの存続が危うくなった。

それに輪をかけて、この液体は高価で1㎏8万円する。
さらに一日の損失量が120g、つまり8日で1㎏、1日1万円を失いながら、
その液体を延々と建屋にばら撒いていることになる。
ランニングコストも1日1万円だから、年間300万円。
何よりも、建屋のダクトを汚染するのが一番の問題で、
研究所の研究員が泣きついてきたと言う訳。

最初は、前に納めたトラップ装置の回収率が悪いからと言っていた研究所。
それでも回収率を少しでも上げればいいと言う事で、受けた話。
ところが設計の打ち合わせに行ったら、『完全回収したい』と
全然話が違うので、とてもじゃないが、今の予算では出来ないと断った。

研究所も色んなメーカーを探したけれど、結局はどこもやりたがらない。
それでまた僕の所に話が舞い戻ってきた。
色々考えて、理屈の上では『完全回収』出来る代物を考えた。
原理図を見せて、研究所も納得して期待してくれている。

ただ、コストが全然合わなくて、儲けなし、赤字になるか?ギリギリですね。
そんなドタバタで進めた装置ですが、組み立て始めたら意外といい感じ。
動かすのが楽しみです。
組みあがったら、写真を載せる予定です。

コメント
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