サッカーチームで中心になっているメンバーの母上が亡くなった。
僕より15歳年下の男なのだけれど、チームでは一番、生意気な奴。
風貌は僕と同じ『チンピラ』。
その事を言うと『アンタには言われたくねぇよ』と反発する。
何処かで同じような血を感じる可愛い奴です。
それでも、僕はそのサッカーを見てテクニックは抜群だし、
パスやプレーぶりに仲間に対する愛情を感じていたので、
今のチームを作る時に、真っ先に声をかけた。
その男が、母親を亡くし落ち込んでいる。
『お袋って偉大ですよね。こう見えて、自他共に認めるマザコンなんで結構しんどいです。
呑んだくれて、誤魔化してます。親父が心配なので、ずっと実家泊まりです』
というメールが来たので
『マザコンじゃない男なんて、男じゃないんだよ。そう言う奴は、本当の優しさが無い。
お前のサッカーを見ていれば、仲間への優しさが伝わってくる。
きっと両親に大事に育てられて、ヤンチャしてきたんだろうな。
俺が自由奔放なのも、母親が居たからだよ。
『世界で一番好き』なんて母親の事をブログに書いていたくらいだからね。
凹むときは思い切り凹んで引きずらない事。これはサッカーや人生でも大事な事だよ。』
と返事を書いた。
するとまた返事
『ありがとうございます。やっぱりジジイ(僕の事)は偉大です。
俺も、お袋が世界一好きでした(嫁には言えないけど)笑
最後、しっかり泣いて、笑って泣き笑いで送り出します。
本当に、温かいお言葉ありがとうございます。』
僕も7年前にお袋を亡くした。
世界で一番好きな女性は?って訊かれたら迷わず『お袋』と応えていた。
お袋が亡くなる直前に書いたブログ『ありがとう・・・・は、こっちの台詞だよ』
には、いま読み返してもちょっと切なくなるほど、お袋への思いが込められている。
奴も多分、僕と同じように育ち、同じようにお袋さんを大事にして来たんだと思う。
男が周りを気にしないで泣けるのは、親が死んだ時と自分の家族を失った時。
僕はそう思っていた。
特に男にとって、母親は特別な存在なのです。
親の義務は子供を思い切り愛してやること。
お金がなくても、愛情があれば人間として間違った方向へは進まない。
そう云う意味で母親の愛情は、男の人生の『舵の切り方』を教えるものだと思っている。
世の女性は『マザコン』と言うと馬鹿にするけれど、
口には出せないけれど母親の事を『世界で一番好き』って思っていて、
外では威張って親分みたいなところがある僕や奴のような男も居る。
友人の女性から言われた事があります。
『お母さん大好きって言われた時ほど嬉しい事は無い』と・・・・
幾つになっても男は『マザコン』なのかも知れません。
『マザコン』の何処が悪い!
早く立ち直って、またサッカーを一緒にやれる日を楽しみにしています。