映画とライフデザイン

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映画「冬の小鳥」 キム・セロン

2010-10-30 05:09:12 | 映画(韓国映画)
映画「冬の小鳥」は、韓国に生まれ孤児となり、養女にもらわれフランスで育った女性がメガフォンをとった自伝的作品である。新聞で解説を読み、ぜひロードショーで見たいと知性の殿堂岩波ホールにて鑑賞した。

1975年、ソウル近郊。9歳の主人公(キム・セロン)は父親と二人暮らしである。いつものように自転車に同乗して父親についていった先はカトリックの児童養護施設だった。また来るよという父親を信じていたが父親は来ない。まわりには小さい女の子がたくさんいた。どうも孤児のようだ。父のもとに帰りたいと願う主人公は、自分は孤児ではないと院内の人々に反発を繰り返した。どうにもならない。時がたつにつれ友人もできてきて、気持ちの変化も出てくるが。。。


せつない話である。自転車に父娘仲良く二人乗りをする姿がいじらしい。
主人公キム・セロンはかわいい。しかも好演である。
こんな目にもし自分があったらと想像すると本当に辛いものがある。

まさにロードショー中でネタばれは避けたい。
気になるとこだけいくつかあげる。

最初に父親と施設に来るのであるが、その前のシーンからずっと父親の顔を写さない。何でかなと思っていたら、施設を去る前になってようやく顔を映す。大物であった。ソル・ギョングだ。
なかなか芸が細かいと思った。


児童施設といったが、実際孤児院である。そんな孤児院にいる女の子たちも大人になる時にいろんな家庭に引き取られる。引き取り先には子供のいない外人も多い。彼女たちが去るときには歌がうたわれる。「蛍の光」だ。これだけは万国共通だ。なんかつれない。


孤児たちが夜遊ぶのは花札だ。これって日本文化の居残りなのか?つい調べてみたい気がした。どうも日韓併合の前、李朝朝鮮のころに韓国に伝わり、日本統治時代に広まったそうだ。チョゴリ姿の女の人がいたりして、独特のアレンジがされているようだ。これははじめて知った。

もうちょっと泣けるかな?と思ったけどそうでもなかった。
宮川一夫撮影の作品の後では、若干映像に物足りなさを感じたが、新人監督のこれから先の活躍に期待したい。

(参考作品)
冬の小鳥
孤児院からフランスへ養子にもらわれた女の子
コメント
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