映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

映画「それでも夜は明ける」

2014-03-12 18:45:04 | 映画(洋画 2013年以降主演男性)
映画「それでも夜は明ける」を映画館で見てきました。

本年度アカデミー賞作品賞に輝く作品だ。
感想としてはともかく重いといった印象。よくぞここまでというくらい主人公は次から次へと窮地に陥る。
黒人人種差別を描いた映画は多々あるけれど、ここまでドツボにはめる映画は記憶にない。
助演女優賞をルピタ・ニョンゴが受賞したが、これは当然そうなると思わせるすごい演技だと思う。

バイオリニストのソロモン・ノーサップ(キウェテル・イジョフォー)は、幸せな暮らしを送っていた。愛する妻は腕の良い料理人で、幼い娘と息子も元気に育っている。1841年、アメリカ・ニューヨーク州サラトガ。ソロモンは生まれた時から自由証明書で認められた自由黒人で、白人の友人も多くいた。

ある時、知人の紹介で、ワシントンで開催されるショーでの演奏を頼まれる。契約の2週間を終え、興行主と祝杯をあげたソロモンは、いつになく酔いつぶれてしまう。
翌朝、目が覚めると、ソロモンは小屋の中で、手と足を重い鎖につながれていた。様子を見に来た男たちに身分を告げるが、彼らは平然と「おまえは南部から逃げてきた奴隷だ」と宣告し、認めないソロモンを激しく鞭打つ。
興行主に騙されて売られたと気付いた時には、既に船の上だった。屈強な二人の黒人たちと共に反乱を目論むが、女を助けようとした一人が虫でも潰すように刺し殺されるのを見て、抵抗が無駄だと悟る。

ニューオーリンズの奴隷市場に着くと、奴隷商人(ポール・ジアマッティ)から無理やり“ソロモン”という名前すら奪われ、男も女も全員裸で並べられ、子どもは「将来は立派な家畜になりますよ」と紹介される。こうしてソロモンは、大農園主のフォード(ベネディクト・カンバーバッチ)に買われていく。

有能なソロモンはすぐにフォードに気に入られるが、大工のティビッツ(ポール・ダノ)からは何かと難癖をつけられる。ついにソロモンの中で何かが弾け、殴りかかるティビッツに反撃してしまう。仲間を引き連れて戻ってきたティビッツは、ソロモンの首に縄をかけて木に吊るす。監督官が彼らを銃で追い払うが、フォードが戻るまで、ソロモンはかろうじて爪先が地面に着く状態で何時間も放置される。
フォードは面倒を起こすソロモンを、借金返済を兼ねてエップス(マイケル・ファスベンダー)に売る。フォードは優しい主人だったが、所詮奴隷は“財産”なのだ。広大な綿花畑を所有するエップスに仕え始めたソロモンは、今まではまだ地獄を覗いていただけだと悟る。エップスは、とても正視できない暴力で奴隷たちを支配し、まだ年若いパッツィー(ルピタ・ニョンゴ)をサディスティックに弄ぶ。ソロモンに信頼を寄せたパッツィーは、ある夜「自分を殺してくれ」と頼むが、彼にはできない。
(作品情報より引用)

この主人公はもともとは奴隷だったわけではない。はめられて奴隷になってしまったのである。
酔って朝気がつくと、手も足も鎖につながれている。そうしているうちに気がつくと奴隷として売買されるのだ。こんな感じで奴隷になってしまった黒人たちはきっとほかにもいたのであろう。
いくらなんでもひどすぎる。

助演女優賞のルピタ・ニョンゴが演じたのは、主人の寵愛を受けてこっそり浮気する役柄だ。でも奥さんにバレて逆に虐待を受ける。これがむごすぎる仕打ちだ。逆に死んでしまった方が楽だと思うくらいの仕打ちだ。このシーンには目をそむけざるを得ない。つらいなあ。

最後感動の場面が映されるが、全く涙は出てこなかった。
生まれながらに奴隷になり、死ぬまで逃れられない黒人たちが大勢いることを思うとやりきれない気持ちになったからだ。
本当にやるせない。
コメント
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