映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

映画「ウォールストリート・ダウン」

2014-03-25 05:23:59 | 映画(洋画 2013年以降主演男性)
映画「ウォールストリートダウン」は2013年公開のアメリカ映画だ。
何気なくdvdを手にとってレンタルしたが、最後まで飽きさせない展開であった。

ウォールストリートに働く人を次から次へと殺していくという展開はいかにもやりすぎな気もする。あくまで底辺社会からの視線でそれらの人の共感を得ようとする。でもこんな映画が成り立ってしまうこと自体驚きだ。アメリカが格差を憂う社会になってしまったのか?しかも日本だったらこんなことは起こるだろうか?この映画を見て考えさせられることが多い。

主人公ジム(ドミニク・パーセル)は元は海兵隊員で今は現金輸送車の警備員として働き、美しい妻(エリン・カープラック)と暮らしていた。ところが、妻が難病にかかる。治療のための注射一本に300$もかかるという。しかも、高額医療につき医療保険対象外だと病院の事務に指摘される。その場はクレジットカードで払う。

彼は蓄えたお金を債券を購入し運用していた。治療費に充てようと引き出そうとしたら、金融危機のせいで元金がほとんどショートしているという。
クレームをつけても、加えて6万ドルを追加で入れろと通知が来る。すぐさま弁護士に相談するが、請求を退けるために1万ドル費用がいると言われる。途方に暮れるが、警備員の仲間が弁護士費用を出してくれた。地方検事補へ相談に行くが会ってはくれない。金を支払ったのに弁護士も全く機能しない。その上もう一人弁護士を雇えという。

そうしてくるうちにカード利用が不能になり、高額医療のお金が払えなくなる。支払い要求の督促状が山ほどきて、しまいに家を差し押さえるといわれる。そして夫の様子を察して妻の自殺という悲劇が襲う。彼は途方に暮れるが、自分の怒りの矛先をウォールストリートに働く人物に向けるようになるが。。。


以下ネタばれあり。

証券会社の人がこの映画見たら怒るだろうなあ!
時代劇で悪代官とその仲間役が正義の味方の武士にめった切りにされるのと同じように、主人公はウォール街で働く金融マンたちを撃って撃って撃ちまくる。実際に撃たれた中には不正取引に無関係な人だっているのだ。そして最終場面に向かっても、映画の当事者はずっと主人公をかばい続ける。いくらなんでもこれってアリ??

要はウォール街に働く人物すべてが悪役というのがこの映画の主旨である。
その昔「豊田商事」という詐欺まがいの会社で大金を集めていたのは有名だ。あの時は豊田商事の社長がよく訳のわからない右翼2人にメタメタに刺されて殺された。あの事件とこれは違う気がするんだけど、襲撃する主旨は一緒だ。
この映画では、主人公が投資したお金は10%はまわると言われて投資する。ところが、相場の変調で投資した債券の元本がないと言われる。ブローカーも何がなんだかよくわからないという。
この映画の投資商品は僕もよくわからない。信用取引や商品取引のようなレバレッジ投資に入れ込むのならわかるんだけど、違うみたい。ゼロっていうのはあるのかしら?しかも、映画では商業不動産に投資してと言っているが、追い金を要求されるというと不思議?

もしこの映画のようになったらさすがに訴えるだろう。日本だったら大騒ぎのはずだ。ただ、普通だったらありえないんだろうなあ?詐欺まがいのブローカーに引っかかったなら「投資はすべて自己責任」というのに当てはまるよね。

いずれにせよ、ウォールストリートに働く人たちがアメリカ経済を支えているのは事実。この映画のような襲撃を是認すること自体はありえないと感じる。

医療保険が高額医療になる使えないという。確かに健康保険対象外になる診療は日本でもあるが、日本では一定以上の高額医療費のバックが申請すればある。差額ベッドなどは別なんだろうけど、この映画の妻は自宅診療だ。一本300$の注射を毎日うつわけでもあるまい。あとは所得税の医療費控除だってある。(これはアメリカでもあると思うけど)オバマは公約で健康保険の充実を訴えているけど、実際問題日本はかなり恵まれているのかもしれないし、ここで起きるような状態はないのかもしれない。だから日本が財政がおかしい。そんなことを考えていた。

コメント
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