映画とライフデザイン

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映画「カミーユ、恋はふたたび」 ノエル・ルボウスキー

2015-11-04 19:46:10 | 映画(フランス映画 )
映画「カミーユ、恋はふたたび」を映画館で見てきました。


この間の日曜日に大学の同期が50代にして再婚パーティをやった。久々の同窓の結婚パーティで大勢集まったけど、かなり盛り上がった。そんな思いで、この映画をピックアップして見に行った。
これはなかなかおもしろい。40代の売れない女優が、若い女にうつつを抜かした亭主に離婚してほしいと言われ、やけくそになって飲みすぎたら15歳の時にタイムスリップしてしまうという話だ。韓国映画「サニー」に似たタッチだけど、この映画のすごいところは10代半ばの女の子に交じって40代のおばさんがそのままの姿で演じてしまうということだ。主演のノエル・ルボウスキーが自らメガホンをとるが、コミカルなセンスが良い感じだ。


パリに住むカミーユ(ノエル・ルボウスキー)は、40歳を過ぎた今、女優の仕事を続けているが、もらえる役はほんの数分、台詞も叫び声だけといった全く仕事とは言えない状態。家庭では、娘は独立しており、夫エリック(サミール・ゲスミ)との仲は冷え切っている。そんな上手くいかない人生の慰めはネコとお酒。そんなある日、25年も連れ添ったエリックが20歳の若い女を作り離婚を言い渡してきた。

失意のどん底のカミーユは、大晦日の日、旧友とカウントダウンパーティで大はしゃぎし、酔っ払って転倒、目が覚めると、そこは病院のベッド。傍らには今は亡き両親がいる。どうやら学生時代にタイムスリップしてしまったようだ。


それも顔や体形は40代のままの姿で。童心に返り、大好きだった両親や友人たちと、2度目の青春を楽しむカミーユ。そして人生を見つめ直す機会を得た彼女に、恐れていた同級生のエリックとの出会いが訪れる。彼女は将来を危惧し逃げ出すのだろうか-?それとも先が見えていてもエリックを再び愛するのだろうか-?(作品情報 引用)

2012年の映画なのになぜか今公開だ。何でだろう。特に前評判が高いわけでもないけど、高校生へタイムスリップの物語というのは相性がいい。客の入りはさしてよくないけど、見ていてなかなか楽しい。脚本ストーリー的には、韓国映画のようなドンデン返しの波状攻撃といった鋭さはなく、最後の詰めが甘いという印象すら受ける。でも不快な感じがなく後味はいい。ついこの間若き日を思い出すパーティがあったからだろうか。


1.ノエル・ルボウスキーとおとぎ話のような高校時代
15歳の時から25年たったという設定だと、40歳ということになるがちょっと無理があるなあ。主人公は少し老け過ぎで50代といってもおかしくない気がする。調べてみたら1964年生まれという。すなわち撮影当時48歳だ。そうだよな。タバコをバカスカすったり、ワインをガボガボ飲んだりして、夫から愛想尽かされても仕方がないルックスに自分には見えてしまう。

それでもよく頑張ったと思う。自分の子供のような女子学生と踊りまくったり、夫とこのまま一緒にならないように、童貞ぽい男子学生に言い寄り、ベットに誘ったら自分から腰をふろうとして相手に嫌がられたりと笑う場面はいくつも用意されている。ふと目を覚めたら、死んだ自分の父母が目の前にいるなんて光景が実際に起きたら、思わずびっくりしてしまうだろうなあ。


この次の電柱で未来の夫は自分にキスをしてくるなんて予測をして周りをビックリさせる。自分の母親の死期を知っているので、CT検査をすすめたり、いろいろ手を尽くすけど結局は流れに逆らえない。うーん、タイムマシーンに乗っても自分の周辺を変えることはできないのであろうか。

2.熟年結婚パーティ
ついこの間のお互い2回目の再婚パーティでは、ケーキカットで司会も「初めてのお仕事とはいえないけど」とみんなの笑いを誘う。そのあたりが楽しい。会社ではいつも偉そうにしているんだろうなあというおじさん同世代がたくさんいたし、長い間通っている飲み屋のマスターもいる。世の教育ママたちからみれば、羨望のまなざしのパーティだろう。この年になってこんな楽しいパーティができることがうれしかった。こういう楽しみは減ったもんね。


奥さんは下からずっと附属で、大学からの自分とは違う家柄の出身だ。それだけにもう社会人の息子も大学生の娘も容姿は超淡麗だ。そのむかし殺人的な美貌を誇った世が世であればお姫様のような方だけど、さすがに年を重ねると色は若干あせる。それもいいんだろう。
この映画をみながら、もう一度むかしに戻ってみたい気がした。きっと大きくは人生変わらないけど、いくつか変えてみたいこともある。そしてこの出演者のように同じようなパーティや悪さをやってみたいそんな気を起こさせてくれた。
コメント
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