映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

映画「はちどり」パク・ジフ

2020-12-23 18:16:00 | 映画(自分好みベスト100)
はちどりは2018年の韓国映画、今年公開で映画館で観てきました。


すごく気に入った作品なのにうまく言葉に転換できない映画ってある。ブログアップできず気がつくと時間が経ってしまった。「はちどり」は14歳の女の子の微妙な思春期の心情を映像化したものである。主人公の14歳の女の子が映るスチール写真が可愛いので以前から注目をしていた。

1994年に時代はさかのぼる。家長に威厳をもたせる男性の強い韓国社会の矛盾がクローズアップされる。男が女を殴る場面がいやでも目立つ。それでも、いつもの韓国のクライムサスペンスで感じる末梢神経を刺激するどぎつさはない。14歳の女の子がそんなに激しい出来事に出くわす訳はない。物語設定に極端な紆余屈折があるわけでもない。でも好きだな、この映画

1994年のソウル、中学生のウニ(パク・ジフ)は餅屋を営む両親と姉、兄と集合団地に暮らす。両親は家業が忙しく、子供たちの面倒は見切れず別の学校に通う親友や恋人と遊んで気を紛らわしていた。かわいいウニには恋人がいるのに、下級生の女子からも付き合ってくれと慕われる存在であった。


ウニは親友と漢文塾に通っていた。ウダツの上がらない男性教師からある日突然ヨンジ(キム・セビョク)にかわった。事情があって長く学生生活を続けているというヨンジに徐々に気を許すようになる。そんな時、以前から耳の裏手にあったシコリが気になってくる。母親も忙しくて病院に付き合っていられない。医者からは手術しなければならないと言われるのであるが。。。


⒈家長の権威と男性
父親は餅屋を経営している。夕食は家族全員でとり、父親がテーブル上で訓示のような話を家族にしている。餅屋が忙しい時は家族総出で手伝いだ。その父親が外出するときに、中学生の娘も含めて必ず「いってらっしゃい」と玄関先まで見送って挨拶する場面にまず驚く。礼儀正しいなと思うより、家長として威張っているな!という感をもつ。

ウニの兄貴も威張っている。ソウル大学を目指しているが、ストレスもありちょっとしたことで気に喰わないと妹を殴る。そういう話がこの主人公ウニだけでない。親友も兄貴に殴られている傷を示す。いったいどうなっているんだろう。これは今から26年前の韓国社会だ。
友人の口に傷↓


⒉瑞々しい主人公
末っ子である。甘やかされているわけではない。兄貴の乱暴に耐えている。この主人公ウニがかわいい。美少女である。一応は同じ中学生の彼氏がいる。初々しく優しいキスをする。演じるパク・ジフが瑞々しい。


ウニの首にできたおできが手術を必要とするシコリで、父親と一緒に病院へ行く。その時、何故か?父親が泣き出す。それまでの威張り散らした父親が急変する。きっと自分以外の見ている人も驚いただろう。この時のコントラストに何か不思議なものを感じる。

⒊漢文塾の先生
韓国に漢文塾なんてものがあるとは思わなかった。自分が子供の頃は漢字とハングル文字が日本語のように入り混じっていた気がする。いつのまにかハングル表記オンリーになってきた。それでもこんな塾があるんだ。

そこではウニは親友とともに通っている。生活に窮乏した家の子でもないのに、文房具屋で万引きをしてしまう。見つかって2人は店主にこっぴどく怒られてしまうが、親友はそこでウニが商店街にある餅屋の娘だと思わず言ってしまうのだ。文房具屋の店主から解放された後、ウニは怒る。何でそんなことばらすのかと。当然だ。2人は絶交状態になってしまう。素敵な女教師がいる漢文塾にも親友は来なくなる。

ところが、しばらくして親友が塾の座席に着く。2人に起きた事情を知っている先生がどう出るのか?注目した。どうなったか言わないが、ここで見せた余韻のあるシーンが好きだ。
コメント
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