映画とライフデザイン

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映画「シアターキャンプ」ニック・リーバーマン&モリーゴードン

2023-10-07 07:19:34 | 映画(洋画:2022年以降主演男性)
映画「シアターキャンプ」を映画館で観てきました。


映画「シアターキャンプ」はアメリカのモキュメンタリー映画(疑似ドキュメンタリー)である。夏休みに子供たちがキャンプ地に集まって演劇の練習をしてミュージカルを上演するまでを描く。theaterという英単語を見ると、劇場という訳しか思いつかないが、辞書を見ると演劇の訳がある。実際にアメリカではこういう演劇キャンプが運営されているようだ。

ニューヨーク郊外の湖畔のキャンプ地で、夏休みに子供たちが演劇の合宿をして1つの舞台を仕上げるために集合する。ところが、スタッフを束ねる女性校長が突然倒れる。校長の息子トロイ(ジミー・タトロ)が代わりにリーダーシップを取ろうとするが、演劇には素人で参加者たちは無視。でも、音楽、演劇、ダンスの講師たちは変人ぞろいだけど、子供たちからは絶大な信頼がある。それぞれの指導のもと練習に励む。

しかし、このシアターキャンプの懐事情は最悪で、金策にも失敗し続ける。差し押さえ目前である。投資ファンドも買収にきている。窮地を脱するためには発表のステージでいいショーを見せて投資家から出資してもらうしかないのだ。


構成力と編集力に優れたモキュメンタリー映画だ。
製作・脚本のニック・リーバーマン監督と音楽講師役で監督も兼ねるモリーゴードンを含めて4人で練って製作した作品だ。かなりの準備期間を経て、19日で撮影を完了したという。練ってつくられたストーリーを前提にしたモキュメンタリーとはいえ、実際に子どもたちが集まって個性的な演劇指導者の指導を受けて鍛錬に励む。全般に流れるムードはコミカルだ。


子どもたちはマジだ。本気でいいミュージカルをつくろうとしている。演技というレベルを超越する。それぞれの歌も上手い。講師の演技指導に対する不満など本音も次から次に発せられて、真剣勝負と言ってもいいのではないか。


この映画は90分台に簡潔にまとめられている。子どもたちが演技で動いているシーンとミュージカルをいい作品にしようとリアルに行動している部分と両方をうまく混ぜ合わせる。人間関係が複雑で揉め事の多い大人の一方で無邪気に行動する子どもたちがカワイイ。この19日間にはかなりの量の映像が撮影されたはずだ。それをテンポよくリズミカルな構成にまとめる。構成力と編集力に優れているという理由だ。お見事な仕事といえよう。
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