映画「ミッシング」を映画館で観てきました。

映画「ミッシング」は石原さとみ主演の行方不明になった娘を懸命に探す両親と事件を追うTV局との関係を描いた作品だ。「空白」の吉田恵輔監督のオリジナル脚本である。ここのところ洋画にこれといった作品がなく、邦画を続けて観ている。「ミッシング」は後回しの予定であったが、石原さとみの熱演のうわさを聞き、とりあえず観に行く。
吉田恵輔監督作品は好き嫌いがあって、個人的には「空白」はイマイチで、負け続けるボクサーを描いた「BLUE/ブルー」と奇妙な三角関係の「さんかく」が好きだ。今度は気にいる気に入らないどっちに振れるかと思いつつ、映画館に向かう。
静岡の沼津、沙織里(石原さとみ)の6歳の娘が失踪する。預けていた弟と別れた後だった。夫(青木崇高)と共に街頭でビラを配り、懸命に捜している。TV局のディレクター砂田(中村倫也)は事件を取り上げ特別枠で放映される。しかし、娘の失踪時に沙織里がアイドルのライブに出かけていたことが判明して、ネットでは母親失格と中傷される。

視聴率を気にする局の上層部は、寸前まで娘と一緒だった沙織里の弟の証言に疑惑を持つ。上司命令で弟をテレビに登場させるように姉沙織里に依頼するが、SNSで犯人扱いされてしまう。
話自体に不自然さを感じて事前予想と異なる印象を持った。
石原さとみは好演だが、演じるキャラクターがイヤな女で好感が持てずまったく心を動かされない。むしろ、TV局のディレクターを演じた中村倫也が板挟みの面倒な役柄をこなした印象をもつ。自閉症的な弟の存在も悪くはない。
舞台は静岡の沼津だ。人口20万程度の町の方が映画ロケはやりやすい。漁港のある沼津らしい海岸ぺりのシーンも多く、海辺の空気感もある。主人公の夫も魚市場に勤務している。ただ、こんな所で頻繁に誘拐事件が起きるのかな?といったそもそも論やSNSに振り回される住民がいるのかな?という疑問をもつ。「空白」の時も同じように思ったが、吉田恵輔監督が強引に話をつくっている印象をもった。犯人の存在を明らかにしない手法にも無理がある。
1.SNSによる誹謗中傷
事前情報では、SNSの誹謗中傷に翻弄される主人公という設定に思えたが、映画を観ると、それで落胆するような人物ではなかった。石原さとみが泣きわめいても常に強気でまったく何とも思っていない。途中でSNS上で中傷した人物を訴える場面があってもとってつけた感じを持つ。でも、SNS上に連絡先を伝えているためにイタズラする悪い奴が出てくる。
沼津に住んでいる主人公に愛知の蒲郡で見かけたとSNS上で発信。夫と蒲郡まで向かうが、途中で連絡がとれなくなる。挙げ句の果てにはアカウントがない。ひどい話だ。でも、こんな話はSNS上ではいくらでも転がっているかもしれない。
2.テレビ局の視聴率ねらいの取材
静岡のローカル局でしかも沼津、そんなに事件なんか起きるわけがない。少女の失踪事件でTV捜査網を張るなんて話はありえそうだ。ただ、それがエスカレートしていく。コンサートに行った時預かった主人公の弟に疑いの目が向けられているので、強引に嫌がる弟の取材をする。観ていてイヤなシーンだが、状況上仕方ない。TV局における視聴率への執着もテーマになる。

局の幹部と取材者との狭間にいるTVディレクターの存在は巧みにクローズアップできたと思う。地方都市では地元TV局に勤務する連中はエリートだ。中村倫也が地方のエリートぽい雰囲気をかもし出していて適役だった。稚拙な若手女子社員や特ダネに異様に執着心を持った男子社員との対比もいい。
被害者の親である主人公石原さとみがだんだんとTV局の言われるままになり、カメラ前で演技するようになる。印象に残るシーンとして、TV局が主人公石原さとみへのインタビューをしているときに、泣きながら答える石原さとみのセリフの中に「何でもないようなこと」と失踪事件を指すのを聞いたカメラマンがそれを訂正してやり直すシーンが気になった。

3,偽りの知らせ
もしかしたら、この映画のいちばんの見どころかもしれない。方々に手を尽くしてうまくいかない主人公の元に「お嬢さんが保護された」とTELが来る。歓喜して警察署にすっ飛ぶ2人のそばにはTV局のメンバーもいる。慌てて警察署に向かっていくと、対応する警察官からそんな知らせはしていないと。娘がいないで叫ぶ石原さとみが失禁している。ディレクターはその映像を撮るのを制止する。
蒲郡の件もそうだが、こんな悪さをする奴が存在するのかもしれない。最近のオレオレ詐欺の手口で電話番号を0110にして、相手を信用させるのがあるらしいね。何でこんなことやるんだろう。

映画「ミッシング」は石原さとみ主演の行方不明になった娘を懸命に探す両親と事件を追うTV局との関係を描いた作品だ。「空白」の吉田恵輔監督のオリジナル脚本である。ここのところ洋画にこれといった作品がなく、邦画を続けて観ている。「ミッシング」は後回しの予定であったが、石原さとみの熱演のうわさを聞き、とりあえず観に行く。
吉田恵輔監督作品は好き嫌いがあって、個人的には「空白」はイマイチで、負け続けるボクサーを描いた「BLUE/ブルー」と奇妙な三角関係の「さんかく」が好きだ。今度は気にいる気に入らないどっちに振れるかと思いつつ、映画館に向かう。
静岡の沼津、沙織里(石原さとみ)の6歳の娘が失踪する。預けていた弟と別れた後だった。夫(青木崇高)と共に街頭でビラを配り、懸命に捜している。TV局のディレクター砂田(中村倫也)は事件を取り上げ特別枠で放映される。しかし、娘の失踪時に沙織里がアイドルのライブに出かけていたことが判明して、ネットでは母親失格と中傷される。

視聴率を気にする局の上層部は、寸前まで娘と一緒だった沙織里の弟の証言に疑惑を持つ。上司命令で弟をテレビに登場させるように姉沙織里に依頼するが、SNSで犯人扱いされてしまう。
話自体に不自然さを感じて事前予想と異なる印象を持った。
石原さとみは好演だが、演じるキャラクターがイヤな女で好感が持てずまったく心を動かされない。むしろ、TV局のディレクターを演じた中村倫也が板挟みの面倒な役柄をこなした印象をもつ。自閉症的な弟の存在も悪くはない。
舞台は静岡の沼津だ。人口20万程度の町の方が映画ロケはやりやすい。漁港のある沼津らしい海岸ぺりのシーンも多く、海辺の空気感もある。主人公の夫も魚市場に勤務している。ただ、こんな所で頻繁に誘拐事件が起きるのかな?といったそもそも論やSNSに振り回される住民がいるのかな?という疑問をもつ。「空白」の時も同じように思ったが、吉田恵輔監督が強引に話をつくっている印象をもった。犯人の存在を明らかにしない手法にも無理がある。
1.SNSによる誹謗中傷
事前情報では、SNSの誹謗中傷に翻弄される主人公という設定に思えたが、映画を観ると、それで落胆するような人物ではなかった。石原さとみが泣きわめいても常に強気でまったく何とも思っていない。途中でSNS上で中傷した人物を訴える場面があってもとってつけた感じを持つ。でも、SNS上に連絡先を伝えているためにイタズラする悪い奴が出てくる。
沼津に住んでいる主人公に愛知の蒲郡で見かけたとSNS上で発信。夫と蒲郡まで向かうが、途中で連絡がとれなくなる。挙げ句の果てにはアカウントがない。ひどい話だ。でも、こんな話はSNS上ではいくらでも転がっているかもしれない。
2.テレビ局の視聴率ねらいの取材
静岡のローカル局でしかも沼津、そんなに事件なんか起きるわけがない。少女の失踪事件でTV捜査網を張るなんて話はありえそうだ。ただ、それがエスカレートしていく。コンサートに行った時預かった主人公の弟に疑いの目が向けられているので、強引に嫌がる弟の取材をする。観ていてイヤなシーンだが、状況上仕方ない。TV局における視聴率への執着もテーマになる。

局の幹部と取材者との狭間にいるTVディレクターの存在は巧みにクローズアップできたと思う。地方都市では地元TV局に勤務する連中はエリートだ。中村倫也が地方のエリートぽい雰囲気をかもし出していて適役だった。稚拙な若手女子社員や特ダネに異様に執着心を持った男子社員との対比もいい。
被害者の親である主人公石原さとみがだんだんとTV局の言われるままになり、カメラ前で演技するようになる。印象に残るシーンとして、TV局が主人公石原さとみへのインタビューをしているときに、泣きながら答える石原さとみのセリフの中に「何でもないようなこと」と失踪事件を指すのを聞いたカメラマンがそれを訂正してやり直すシーンが気になった。

3,偽りの知らせ
もしかしたら、この映画のいちばんの見どころかもしれない。方々に手を尽くしてうまくいかない主人公の元に「お嬢さんが保護された」とTELが来る。歓喜して警察署にすっ飛ぶ2人のそばにはTV局のメンバーもいる。慌てて警察署に向かっていくと、対応する警察官からそんな知らせはしていないと。娘がいないで叫ぶ石原さとみが失禁している。ディレクターはその映像を撮るのを制止する。
蒲郡の件もそうだが、こんな悪さをする奴が存在するのかもしれない。最近のオレオレ詐欺の手口で電話番号を0110にして、相手を信用させるのがあるらしいね。何でこんなことやるんだろう。