後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

「曇り日、近所の美しい紅葉風景」

2022年11月29日 | 写真
近所に学芸大学という地味な学校があります。曇り日の紅葉も落ち着いた色合いで美しいものです。いかにも晩秋らしい風情です。先程、家内が撮って来ました。
晩秋らしい写真をお送りいたします。

「冬の花(10)伊豆半島、爪木崎の水仙の花の写真」

2022年11月29日 | 写真
伊豆半島の南端、下田に近い所に爪木崎があります。水仙の名所で一面に咲いています。11月の末から冬中咲いています。何度も行って感動しました。
その爪木崎の水仙の花の写真をお送りいたします。
写真は「爪木崎の水仙の花の写真」を検索して、インターネットに出ている多数の写真から選びました。

「国の天然記念物の武蔵野の雑木林の紅葉の写真」

2022年11月29日 | 写真
家から車で40分の平林寺には武蔵野の紅葉がそのままあります。13万坪以上もある広大な境内には昔の武蔵野が手つかずで保存してあるのです。
四季折々、特に紅葉した雑木林の風情が魅力です。この雑木林は国の天然記念物に指定されています。場所は埼玉県の新座市にあります。
その紅葉の写真をお楽しみ下さい。2015年12月2日に撮りました。

「細川呉港著、「桜旅」の紹介、桜を植える人の優しさ」

2022年11月29日 | 日記・エッセイ・コラム
歴史の本では時代、時代の権力者や大戦争が主題になることが多いものです。それは国の運命を決める重要なことですから当然です。これを仮にマクロな歴史書と呼びます。しかし一方、無名の人々の生涯を書いた歴史的な記録も重要です。当時生きていた人々がどんな気持ちでその時代を生きていたかという記録書です。これはミクロな歴史書です。マクロな歴史書とミクロな歴史書の両方がそろうことが正しい歴史を知るために重要です。
今日は昭和時代のミクロな歴史書の一例として細川呉港著、「桜旅」という本をご紹介したいと思います。「桜旅」(愛育社出版)は2016年4月11日出版の本です。ネットで簡単に購入出来ます。
さてこの本は桜のことが出て来ますが、主題は無名の人々のせつなく美しい生き方を描いた本なのです。昭和時代の無名の人々の記録書でです。
12の章に分かれていて、それぞれに桜を植え、育てた人々の美しい生き方が描いてあるのです。

1、千島桜、2、桜が美しいと思うようになったころ、3、河津桜発見から伊豆の「町おこし」顛末記、4、しぐれ桜、5、小督の桜と女の一生、6、、京都金閣寺の奥の桜の谷にひそむ秘密、7、小督の桜を訪ねて、その後、8、台湾で桜を植え続ける老人ーある日本語族、9、奈良の都の八重桜とは?、10、ノモンハン桜(蒙古桜)、11、冬桜の発見、12、西行桜を見て死ぬ。

このような各章では細川呉港氏がそれぞれの章に出て来る人々へ暖かい心を寄せているのがしみじみと分かってきます。
例えば、1、千島桜の章では、国鉄が国有鉄道だった時代の職員が皆勤勉で実直な人柄だったと書いています。生涯、ただひたすら勤務に忠実に、真面目に生きて行くのです。その一例として北海道の国鉄職員だった佐々木栄松という実在の人物を紹介しています。彼が先輩のT老人から千島桜の鉢植えを譲り受け、庭に植えかえたら見事な大木になったという話です。
このような話が12章に渡って書いてあるのです。
その中で「2、桜が美しいと思うようになったころ、」だけは趣が少し変わっています。自分の幼少のころから見てきた呉の高台に見事に咲いていた桜並木の話なのです。彼は呉に生まれ育ったのです。
呉といえば海軍の港があり、そこから数多くの将兵が桜花を見上げて出撃して行ったのです。戦艦武蔵や戦艦大和や数多くの巡洋艦、駆逐艦、潜水艦が出て行きました。桜に見送らて出て行きました。そして2度と帰って来なかったのです。
その桜並木が近年、全て切り倒され、切株だけが残っているのです。高台まで住宅が出来てしまい、桜並木の近所の家の主婦が落ち葉の掃除に困ると言い出したのです。自治体の役所は主婦たちの言いなりに全て切り倒してしまったのです。淋しい心です。

こんなことも書いてある本が細川呉港氏の「桜旅」という本です。
細川呉港氏の過去の出版の『満ちてくる湖』 (平河出版)、『草原のラーゲリ』 (文藝春秋) などの主題も全て無名の人々の感動的な生き方です。

ある民族の歴史の記録にとって一般庶民の暮らし方や喜怒哀楽の記録も重要なことは論を待ちません。
細川呉港氏の興味と関心はそこにあるのです。そして無名の人々の美しい人生を探しては本にして世に送り出しているのです。
それは大変重要な歴史書です。将来、その重要さが高く評価される歴史書です。

しかし細川呉港氏はそんな気で書いていません。ただひたすら美しい人生を探して、探して彷徨っているのです。そんな細川呉港氏の人生もせつない、そしてひたむきな生き方として人々の胸を打つのです。
細川呉港著、「桜旅」とはそんな内容の本なのです。

今日の挿し絵代わりの写真は八ヶ岳の紅葉した白樺の写真です。写真の出典は、https://photokiti.exblog.jp/29810140/ です。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)
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細川呉港 さんの略歴;
細川呉港 は広島県呉市出身。1944(昭和19)年生まれ。出版社を経て現在フリー。現代中国、満洲、モンゴル研究は長い。東洋文化研究会の運営は今年で35年目になる。歴史に生きた無名の人物を掘り起こす作業を続けている。
著者に『満ちてくる湖』(平河出版)、『ノモンハンの地平』(光人社)、『日本人は鰯の群れ』(光人社)、『草原のラーゲリ』(文藝春秋社。中文版、モンゴル縦文字版、キリル文字版の翻訳書がある)、『紫の花伝書』(集広社)、『桜旅』(愛育出版)、『花人情(はなひとなさけ)』(愛育出版)、近刊『柔術の遺恨』などのほか、編著として『台湾万葉集』『バイコフの森』『孔子画伝』『西チベット ピアンとトンガの仏教遺跡』(いずれも集英社)など。

1番目の写真は八ヶ岳の八千穂高原の白樺の群生地です。白樺林は黄から赤の紅葉で美しものです。

2番目の写真は八ヶ岳の山腹に立っていた白樺の大木です。実に堂々としています。

3番目の写真は山腹の白樺の黄葉 した樹林帯です。山の斜面には場所によっては葉が残っており紅葉の美しい樹林帯が見られます。

4番目の写真は八千穂レイクです。白樺の葉が落ちて白い幹が美しく見えます。左端には唐松の黄葉があります。
(1番目から4番目の写真は2018年10月23日に撮影された写真です。)