毎日が、その成育が楽しみにM果樹園のブドウ棚の下に行き、袋の底からその黒々とした姿を眺めては悦にいっている。
もうそこは甘味一杯の匂いが立ち込めている。多数のブドウも発育にばらつきがあり、粒が緑色のもの、赤みを帯びたもの、完全に成育した真っ黒のものと、総てが均一な姿になっていない。
まあそれでも早く成熟したものを選別し摘み取るには頃合いも良かろうと、孫娘に声をかけぶどう狩りに声をかけた。
「ワーイワーイぶどう狩り だあ~」梯子とはさみを準備し、既に摘み始めている姿に、わざわざ横浜から来てくれ、歓声をあげ、一緒に摘み取りの喜びを楽しんで貰った。
一房の単位が小さく、本来なら成育過程で落としてしまう様なものまで袋を掛けたので、袋の数だけは大変多く、店頭に並べられる房の大きさにほど遠い、ごまかしの姿であるが、その袋姿に騙され、大人も驚いている。
選別しながら、落として行くと、写真のようにボールの容器に瞬く間に一杯になる。
今日のところは一先ずこんな所で摘み取り終了。「さ~て食べてみよう」リベジン処理してないため、種は残っているのも、かったるいが、口一杯に広がる甘さは絶品とお褒めの言葉に1年がかりで育てた喜びがひとしおである。
例年にない長雨が7月一杯まで続き、肝心の甘さを心配したが、発育が1~2週間遅れた程度で甘さはしっかりと熟成されていた。
僅かなお裾分けをお隣に差し上げ、作り物の喜びを味わって、貰ったが、他界され今年はかなわぬことになってしまった。「お蔭様で今年も立派な果実が育った」ことを告げておきたい