「トコトコ」「ドンドンドン」静かな空気を打ち破る様に太鼓の音が響きわたる。そのリズミカルでダイナミックな音に魅せられ、磁石に吸い付けられたように太鼓の鳴る場所に自然と足が進む。
そうだ今日は若宮神社のお祭だ。普段ひっそりした社殿も今日は提灯が飾られ、社殿の出入り口にはびっしりと出店が出て、近所の子供達や世話役の連中が集まり賑わいを見せる。
その境内で祭に相応しい和太鼓が、力強く、リズミカルに響きながら、打ち鳴らされている。
打ち手はン年前かっては妙齢のお嬢様軍団が黒地色に紫のユニフォーム姿、捩り鉢巻もその紫で統一した恰好良い姿出で立ちで、ダイナミック踊りを交え、打ち鳴らしている。
9月とは言え、今日は日中33°で蒸し暑く、ただでさえ額から汗が流れてくる、くそ暑い最中、西日を浴びながら、顔を紅潮させ、そのリズムの中に陶酔しきっている姿、音に釘付けになる。脇の方から太鼓の音に併せ「チャンチキ・チン」と鐘打ちが、リズミカルに音をリードする、太鼓の低い音と甲高い金の打ちならし音が、ハーモニーとなって、益々臨場感が高まっていく。
日本の古来から伝わる伝統芸術、和太鼓の響きに打ち手も聞き手も、一体になって入って行ける世界、その繊細なリズム感が心地よく響きわたり、とても良かった。
暫くして神社から出て行った、神輿が戻ってきた。神輿を迎える様に打ち鳴らす太鼓も担ぎ手の「セイヤセイヤ」に合わせ、打ち鳴らされる。
境内で高々と持ち上げられ乱舞する神輿に、最高潮に盛り上がり、宮入りした。
この時期、あちこちにある神社で、似た様な祭礼が行われてる。
日本の心のふるさと、日本の伝統文化に触れ合い、改めて祭の楽しさを味わい、祭好きの虫が久しぶりに騒いだ。