大きな窓ガラスに飾られたクリスマスツリーにもう今年も、そろそろ終わりかけていることを告げている市立病院のロビーである。
外は木枯らしが吹き、思わず身を固めてしまうほど骨身にくるが、此処は別天地で異常な程暑。巷間伝わる地球環境維持に省エネは当たり前と思ったが、場所柄での風邪ひき対策か、「そんなの関係ない」といわんばかりの温もり天国である。
病と共生、今日は小水と血液の検査とその結果待ちで、14時半の往診予約である。
しかし、一人の担当医が何百人の患者を往診するので、個別の往診時間が積み重なり、後に行くほど待ち時間が長くなる。各担当医窓口前に待ち合い場所があるが、患者さんの群れの中で長時間居すわるのは窮屈で耐えられず、ロビーで待っている。
広々とした空間にソフアーの中で温もり天国、中には四肢を延ばし仰向けになって長時間堂々と寝ている者もいるが、誰も咎めようとしない。
此処では予約時間が1時間でも2時間が遅れることは当たり前の世界で、せわしい世の中に此処では完全に時計が止まっている世界である。
休み明けの翌日であったのか、受け付けに患者が殺到し大混雑。8時半に総合受け付けしたものの、医者の回診は既に11時近かった。
医者2人に何百人の患者が軽重の差があれ、裁く患者の量も膨大でひたすら待つしかなかった。暗い待合でじっと順番待ちに耐えてるが、目の前のじいさま、同じ年頃の世代を捕まえ、大声で話している。「もうろくしている、年は80ン歳」「もう生き恥をさらしたくない」そんな話がもろに飛び込み、こっちも鬱の気分になってしまう。
待たされることに観念し、普段読めない本が此処ではじっくり向き合うことが出来ると、会得の悟りの境地と思えば余り腹も立たない。
その間、進度具合を確かめ、担当医窓口前に何回か往復し、ようやくの往診時間は16時30分であった。分厚いカルテと先程の検査結果とも併せ、「まあ、数値は比較的安定している」とコメントを貰い、その間1~2分。窓口で清算処理し、外に出た時は既に真っ暗であった。
病院の帰路大銀杏も、ご覧のように道一杯に落葉で覆われ、黄金色にライトアップした絨毯が鮮やかに輝いていた。
検査結果も何事もなくよろしかったですね
私も2ヶ月に1度の受診をする身ですが
定期的なので時間を予約できるのがいいですね
何時間も待って1~2分診てもらうのも大変ですね
お疲れさまでした
こちらこそご無沙汰しております
時間予約してもこのありさまです
お医者様の数と受け持つ患者さんの数が目茶苦茶に多いので、こんな結果になっています。
果たしてこんな状態で任せられるのか、心配ですが、市内の総合病院は此処だけなので諦めています。
貧弱な医療体制と高額な保険負担、全く住みづらい世の中です