575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

2月句会の結果です。  遅足

2007年02月22日 | Weblog

題詠「春」

①早春や浅黄の空と銀の塔(晴代)愚
②春の色女の耳朶のうぶ毛かな(能登)鳥・静・遅
③眼二つあればふたつの春の月(遅足)鳥・亜・龍
④春愁やミニスカートを気にもせず(立雄)朱・能・龍
⑤春めくや抱擁解かぬ道祖神(亜子)童・能・静
⑥せせらぎの光りは未だ春浅し(龍次)童・郁・立
⑦早春や揺るぎなきもの追い求め(麗子)晴・亜
⑧春浅し毛布小さくふくらみて(愚足)麗・朱・郁・晴・遅
⑨後戻りできない掟 春の立つ(鳥野)麗・愚
⑩孫の子の写真を見せる春の婆(朱露)
⑪つぶつぶと蕾艶やか春の雨(静荷)
⑫一分を宿す面に魅かる春(郁子)立

    

自由題

①白梅やシャッター幽か人影を(朱露)晴
②茹でこぼす湯にも菊菜の香りかな(晴代)麗・能・鳥・立・亜・遅
③いにしえの姫の小太刀や春愁(亜子)童・朱・鳥・愚・静
④月下の屋根跳ぶ恋猫の黒さかな(龍次)麗・朱・郁
⑤散歩道光の春が後押しし(麗子)晴・立
⑥食パンの残りし数だけ寂し春(郁子)童・愚
⑦当てにせず連番買うたり春の夢(立雄)郁・龍
⑧蕊ばかりめだちすぎたるおらが梅(能登)遅
⑨啓蟄やもういいかいと子等の声(静荷)能
⑩土雛の晴れの舞台や中馬道(愚足)静・亜・龍
⑪夕光(ゆうかげ)に梅のひとはな際立てり(鳥野)
⑫このなかに妻のありけりパジャマ干す(遅足)

   

次回は3月14日(水)午後6時 安田屋です。
   (いつもより一週間早くなっています。)

題詠は「桜、または、花」

そして自由題は、「自分にとって大切なものを読み込んで下さい」
これは課外授業で、金子兜太さんが子供たちに与えた課題です。
子供たちに負けないように


      

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俳句を読む  麗

2007年02月22日 | Weblog

昨日も楽しい句会をありがとうございました。

遅足さんの

      この中に妻のありけりパジャマ干す


「この中」とは奥様が脱がれた
脱け殻になったパジャマの中のこと。
私は勝手に「この中」を「洗濯槽の中」と読んでしまってお恥ずかしい限り。

でも、先日、そんな俳句の読み方についておもしろい記事を見つけました。

現代俳人の片山由美子さん曰く
「俳句は読みによって完成する文芸」とのこと。
たった一人の読み解く力が名句として残されるようになった俳句もあるとのこと。
私の読みで意外に記憶に残る句になったかもしれませんね。

最後に片山さんの代表句。

      断崖をもって果てたる花野かな  片山由美子

外界をいかに認識するか。人間の心理をどう表現するか。
現実の描写だけでなく自分の目で新しい世界を作り出すことができる。
俳句は創作だそうです。

次回は私の大切にしているもの、宝物を読む。
これはまたおもしろそう。
コメント (1)
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