575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

なずなの実微かに揺れて風は春     草女

2007年02月27日 | Weblog
 ナズナ アブラナ科 ナズナ属。
 七草粥でおなじみで、鞘の形が三味線の撥に似ていることからぺんぺん草とも呼ばれている。
 本には、セリより美味しく、中国では畑で栽培し、安くない値段で市場で売られていると書いてある。広辞苑には、「利尿・解熱・止血作用がある」と記載している。
 ナズナは常に発芽・開花・種作りを繰り返えし繁殖力が強い。秋に発芽した物は、冬はロゼット型(越冬のために地に這うようにへばり付いている)で寒さをやり過ごすが、気温が高くなるとすぐにおなじみの立ち姿となり開花、種作りを始め、次々と大量の種を地面に落とし続ける。落ちた膨大な種子は埋土種子集団と呼ばれ、発芽のチャンスを待つ。
 このように、一年中採取出来るので、牧野富太郎氏によれば江戸時代にはナズナ売りの子供がいたそうだ。その頃、ナズナは野菜として立派に食されていたのだ。 ところが現在では、味も美味しいというのに野菜として持て囃されなくなったのは何故だろう。きっと現代は、他に種類も量も豊富な野菜があるので野菜としての役目を失ってしまったのだ。
 そのうえ、山に生えないので山菜にもなれなかったのかな?
コメント (2)
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