575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

飛込の途中たましい遅れけり 中原道夫

2007年03月07日 | Weblog

面白い句です。でも、嘘だと思っていました。
でもでも、この通りでした。
飛込みではありません。
衝突事故でした。
「あっ、ブツカル!」とハンドルを握り締める一瞬。
体が、先に、勝手に前へ進んでいく。
体とたましいがずれている!と感じました。

人間の意識は、即時に現実の変化についてはいけません。
本当は、いつも少し遅れているのです。
ただ、パターン認識が出来上がっているので、
同じような出来事には、即時に対応が出来ているようです。
しかし新しい現実はそうはいきません。
世の中の新しい出来事も、まず「ヘンだな」という感じがあって、
知的な探求が始まり、モノゴトの変化として認識されるわけです。

この句は人間の本質のひとつをみごとに表現していると思いました。
飛込みの選手は、練習のおかげで、体とたましいが一体となっているはずです。

     

ああ、危なかった!命と引き換えの認識でした。  遅足

コメント (1)
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