575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

小肥りと細見の二人鰆焼く   若山鈴子

2007年03月25日 | Weblog

鰆は文字通り春が旬。
鰆は、そのスリムな胴体から「狭腹」という意味だそうです。
産卵のために日本沿岸や瀬戸内海にやってくるそうです。
出世魚で、関西では、さしご→やなぎ→さわら、と、名前が変わります。
しかし、この時期は産卵を前にしていているので、
脂の乗りは、いま一つ、秋から冬に獲れた寒鰆のほうが美味しいとか。
漢字で鰆と書くと、いかにも春といった感じがしますね。

 一匹の鰆を以ってもてなさん  虚子

こういわれると春をまるごとプレゼントされたみたい。

句は八事福祉会館の俳句の会で出会ったもの。
老いのふたり暮らし。ご主人は88歳。魚好き。
買い物も一緒で、鰆を買った。
ご主人はこの日は、鰆を焼くために、厨房に入ったそうです。


以前は日本の近海でも、沢山獲れましたが、
いまでは東シナ海が主な漁場となっているといいます。
我が家では西京漬けの鰆がよく食卓にのぼります。
たまには一人で夕食の支度も。

 妻遠くある空の下鰆焼く  遅足


さて春を呼ぶ魚は多いですが、歳時記にある「春告魚」

                                 (遅足)






コメント (1)
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