575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

カラス様々               草女

2007年10月14日 | Weblog
10月11日庄内緑地公園のバードウオッチングに参加。前日には居たという情報はあったがなかなか見つけ出せない。モズやシジュウカラをウオッチングしていると、草刈の仕事をしている人がハヤブサがいると教えてくれた。
 100mほど向こうの一番高い鉄塔の上。しかし、あまりに遠く頭の黒がわかる程度。なんとか飛んでくれないかと思っているが、ハヤブサは頭を動かすだけ。
 狩は朝と夕方で、昼間はそこでじっとしていると草刈の人も言う。
 諦めて移動しかけた時事件は起きた。 カラスが一羽、また一羽とハヤブサに近づいて行く。ドラマを予感させるものがあり、皆が釘付けになる。
 カラスは一羽も鳴かない。なのに続々と集まり、ジリジリと近づく。
 カラスが8羽ほどになった時、ハヤブサが飛んだ。美しい飛翔。翼の形がとりわけ美しく音もなく飛んでいるという感じである。300mほどでユーターンして再び鉄塔に戻ってくる。が カラスはなおも結集して数を増す。
 ハヤブサは、うるさそうにしているが、飛び去らない。
 「疲れてなんかいませんよ。飛ばないのは沽券にかかわるからでしょう。」とバードウオッチの先生が一言。 ハヤブサのプライド>私はそう思った。
 しかしどう見ても多勢に無勢。しばらくして、ハヤブサは再び森の奥のほうに去り、視界から消えた。

 おかげで、しっかりハヤブサの飛翔を観察できた。カラス様のおかげである。ハヤブサを追い払った十五・六羽のカラスは、誇らしげに電線にズラリと並んでいた。
 「結局カラスが大者なんです。と先生。確かにカラスは強くて賢い。そして数も多い。都会の環境に順応する知恵もある。
 ノリス、オオタカ、トビ、ハヤブサ等の猛禽類がカラスに追われている様子を幾度も目撃している。この日ハヤブサ撃退ショーを見せてくれたあのカラスたちは鳴き声も立てなかったし、遠かったのでハシブトカラスかハシボソカラスかは不明のままだ。山と渓谷社の図鑑によると「ハシブトカラスはタカ類やフクロウ類を見つけると追い回す習慣がある。」と記載されている。
 それにしても、今日の功労者はハシブトカラスであった?

  隼の霧きる翅音きこえけり     吉田冬葉

※写真はハヤブサがカラスを追いかけている場面である。
コメント (1)
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