575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

可憐な自己主張   鳥野

2007年10月23日 | Weblog
駐車場脇の狭い空き地に、吾亦紅が風に揺れています。

花弁のない小さな花がお団子状に固まって、これ以上に暗い色はないだろうにと思うほどの赤褐色。
痩せた風情で、本当に目立たない秋草です。

歳時記のどれを開いても索引は最末尾に付け足しのよう。どこまでもひかえ目な、というのになぜか心惹かれます。「わたしだって赤のうち」と呼びかけているみたいで。

若山牧水は詠んでいます。

  吾木香すすきかるかや秋くさのさびしききはみ君におくらむ

俳句にも秀句は多く

  霧の中おのが身細き吾亦紅    橋本多佳子

  またしても日和くづれて吾亦紅  星野立子

  吾もまた紅なりとひそやかに   高浜虚子

  吾亦紅ぽつんぽつんと気ままなる 細見綾子


 
コメント (4)
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