575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

10月句会の最終結果です。    遅足

2007年10月26日 | Weblog
題詠「秋の暮」

①母さんが迎えにきてくれる秋の暮(童子)
②見ぬ人にメールを送る秋の暮(朱露)遅
③口癖の「気をつけてね」と秋の暮(静荷)鳥・亜・郁・晴・狗・立
④買い物の足早くなり秋の暮(麗子)立
⑤自転車でのぞみ見に行く秋の暮(狗)童・静・晴
⑥妻と飲むマルゴー求む秋の暮(能登)鳥
⑦この道を行くほかなしや秋の暮(亜子)麗・能・愚・晴・狗
⑧一兵のまた来て坐る秋の暮(遅足)童・朱・愚・亜・静
⑨お勝手の湯気あかりもれ秋の暮(郁子)朱・遅・立
⑩妻立ちて灯ともしけり秋の暮(愚足)鳥・童・遅・郁・静
⑪磨ぎ汁にひたす手元も秋の暮(晴代)麗・朱・能・愚・亜・郁
⑫また一人野辺に送りし秋の暮(立雄)麗・能・狗


自由題

①秋の風離れて弁当開く子や(静荷)鳥・童・能・遅・愚・亜・郁・晴・立
②行く秋の居心地悪き代車かな(朱露)狗
③夜長かなまた起きて読む歎異抄(狗)鳥・童・能・遅・愚・亜・静・立
④桐一葉隣のパソコン閉じたまま(能登)童・麗
⑤こぼれ落つ木犀の夢風さらふ(郁子)亜
⑥木犀の香に染む肌着たたみおり(愚足)麗・能・立
⑦人間の味知っている茸かな(遅足)朱・晴・狗
⑧醜さを斯程に見ては無月かな(立雄)
⑨金色に染め上げられて秋の暮(麗子)遅・郁・静
⑩鰯雲車窓全開カンツォーネ(晴代)鳥・朱・愚・郁・静・狗
⑪さまよえる空き缶ひとつ秋の暮(亜子)麗・朱・晴


  

次回は11月21日(水)午後6時 安田屋 
題詠は「冬」です。


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墨流し                 草女

2007年10月26日 | Weblog
 大分古い話になるが、八月下旬の面の木峠で感激の対面をした。この峠ではレンゲショウマという植物だけでなくスミナガシという蝶に出会えたのだ。
 タテハチョウ科の蝶で大きさは3~4cm。モンシロチョウより大きく、アゲハチョウより小さい。 私は虫はあまり好きではないが、山野を歩いていると色々な生き物に出会う。仲間には虫めずる姫君がいたり、筋金入りの虫博士が回りにいたりして、少しずつ虫にも目が向くようになってきて・・・憧れのスミナガシ。
 翅色は青緑色を帯びた灰黒色が地色で細長い白斑や「く」の字の白斑、青い斑点が幾何学模様に並ぶ。地味だけど派手。私には見えなかったが口吻は赤だという。
 いかなる進化があってこのような模様と色合いを手に入れたのだろう。
 インターネットの記事によれば、スギ、ヒノキなどの植林やその管理放棄によって雑木林が減少し、それに伴ってスミナガシも個体数を減らしているとのこと。
 絶滅危惧種に指定している自治体も多いそうだ。
 ならば今回は大変ラッキーな出会いであった。
 出会ったスミナガシ君も長い時間コンクリートに翅を広げていてくれて写真に撮ることも出来ました。 感謝あるのみ。
 スミナガシという和名は、黒っぽい中に複雑な模様がある翅を「墨流し」で作った模様に喩ええたものである。
 こんなにピッタリの名前をつけた人に脱帽。
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