575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

猿梨や山の深さを競いけり   遅足

2007年11月04日 | Weblog


先日、清見で、猿梨をご馳走になりました。
小さな実で、親指の頭くらい。
味がキーウイそっくり。
聞けば、そっくりなのは当然で、キーウイとサルナシは同じもの。
原産地は中国。
ニュージーランドで栽培、アメリカに輸出しようとしました。
その名は、チャイニーズ・フルーツ。
しかし当時、中米関係がよくなかった。
そこで、キーウイというニュージーランドの鳥の名をつけて輸出、
それが日本にも輸入され、キーウイの名で親しまれることに。

猿梨は、里近くでは採れないそうです。
猿も大好物なんでしょうね。

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秋田名物「ハタハタ」         愚足

2007年11月04日 | Weblog
 白神に惹かれて秋田に行った。
 宿の夕食に、秋田民謡にある「ハタハタ」が出された。
 しっかりブリコの詰まった塩焼きの一品である。
 宿の人からハタハタについてのご説明があった。

 「秋田名物八森ハタハタ、男鹿で男鹿ブリコ」と秋田音頭にも謡われたハタハタは、江戸時代以前から秋田の食卓になじみの深い魚である。冬の雷が鳴る頃にハタハタが沿岸に集まるので、別名「カミナリウオ」とも呼ばれ、鰰とも雷魚とも書いている。
 海が荒れる危険な時期にもかかわらず、ハタハタ漁は、慶長年間の文献にもその名が登場し、献上品としても200年間にわたって秋田の特産品を代表してきた。かつては、豊漁が毎年続き、捕れ過ぎで価格が暴落、「箱代にもならない」と言われるほど大漁貧乏が続いた時期もあった。
 だが、長い歴史を誇るハタハタ漁だが、開発による海洋環境の変化と乱獲などがたたって激減、大衆魚から高級魚になってしまった。平成4年、3年間の自主禁漁に踏み切り、禁漁期間中は、稚魚の放流が行われた。「育てる漁業」の実践である。
 解禁後も漁獲量の割り当て配分が行われ、確実にその数を増やしている。過去の大漁は、もはや昔話だが、ハタハタの大群が怒涛のように押し寄せる日を漁民はもちろん、県民も心から夢見ている。今は中々の貴重品です。ではお召し上がりください。

 私は魚卵が好きなので早速口にしたが驚いた。プチプチ・ぬるぬるではないか。
 思わず箸がとまってしまった。私には合わなかったのである。そのせいか句作にも失敗してしまった。せめてハタハタの名句を。

 鰰のみひらきし目にまた雪来      山上樹実雄
 鰰の腹裂くるとも卵抱く        殿村菟糸子
 雷魚の青き目玉が火に落ちし      土谷青斗
 
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萩の雨花と雫をこぼしけり   江本絵悶

2007年11月04日 | Weblog
今朝の中日俳壇に選ばれた江本さんの句です。

初秋、萩に降る雨に漂う情趣。
それが雨の雫となって、
落ちる花の情感をもたらしている。
静寂のなかのどこかもの悲しい光景である。

選者の長谷川久々子さんの評です。

               (遅足)
   
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