575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

荒地盗人萩          草女

2007年11月09日 | Weblog
 NHKの紅葉情報で見頃とあったので恵那峡に出かけた。
 「何処が紅葉なのよー」とアベックが話している。全く同感。
 しかも紅葉の仲間は恵那市の木のハナノキしか見当たらない。その木もやっと色づき始めた程度。天気予報のキャスター氏への信頼が揺らぎ、恨めしい。
 その上である、ダム湖周辺を歩いていたら我が植物アルバムには無い「シロミノムラサキシキブ」を見つけた。そこでロープを乗り越えて近づいた。一瞬、黒いズボンに茶色い模様がびっしり描かれてしまった。ああ何という早業!!
 草に触れた感覚も無いのに。荒地盗人萩である。
 先日仲間の一人がこのアレチヌスビトハギをズボン一杯に付けていたのを大笑いしたばかりなのに。
 さて、こいつは簡単に取る方法が無い。洗っても落ちない。一個一個手で萩取るほかは無い。連れ合いが少し手伝ってくれながら「サルのグルーミングじゃー」と笑う。
 荒地盗人萩をアレチノヌスビトハギという人がいるが、アレチヌスビトハギが正式な和名である。マメ科ヌスビトハギ属で一年草というのと多年草という二説がある。どちらにしても、猛烈な繁殖力がある。気がつけばカメラや靴の紐上着にまで
ひっついている。
 ルーペで観察すると、種の鞘にマジックテープの鉤のような形の細かい毛がびっしり生えている。これで確りと人間や動物に取り付く。
 日本産の盗人萩も構造は同じであるが、小節果と呼ばれる鞘のくびれが二個のみ。これの形がしのび足で歩く盗人の足跡に見立てられての命名である。
 しかしアレチヌスビトハギの方は小節果が5~6もある。
 全く憎らしい草であるが、花は意外と可愛い。
 
  それほどに我恋しきか盗人萩    盲草   
コメント (2)
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