575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

妖しき野葡萄の実        愚足

2007年11月19日 | Weblog
 先日、晩秋の森を歩く会に参加しました。
 参加した方々は紅葉と美しい木の実を写真に撮ることに熱心でした。
 
 そんな中で、みんなが足を止め感嘆した木の実が「野葡萄の実」でした。
 添付の写真のように小さく青い野葡萄の実に混じってひと際大きく色も赤紫、青紫などなどいろんな色が混じり合って不思議な玉となっているものが数多く見受けられました。
 その美しさに一斉にカメラをむけていました。
 他の可憐な青い実と違って、艶やかに変色しビー玉のように巨大化しているのです。
 するとガイドの先生はおもむろに「木の実が癌化しているのです。」と驚きの説明。それによると木の実に良く見られるもので、「虫えい」といって木の実に虫が
産卵しそれが実の中で幼虫に成長していくもので、虫こぶとも呼ばれているといいます。
 またその過程では、木の実の細胞は異常な刺激を与えられて変色し巨大化するそうです。
「不思議な美しさですが、持ち帰って放置しておくと成虫になって大変ですよ」と言われました。
 その言葉に撮影をやめたり、映像を消去する人も居たり、中には解剖してみようと二三個持ち帰る人も居て人様々でした。

 家遠き思ひ野葡萄手に摘むは       有働 亨
 野葡萄のむらさきあはき思ひかな     島谷征良
 野葡萄に指染め女人高野かな       木内彰志

 野葡萄の妖しく病し月夜かな       愚足
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする