8月句会の題詠は「水澄む」です。
①水澄みて隠れた蟹と目を合わす
②水澄みて大気の吐息写しおり
③水澄みて執行猶予ゆらゆらと
④水澄んで水輪の真中魚の群れ
⑤水澄むやピースピースと鳥の声
⑥水澄みて草の香りの星に住む
⑦水澄みて生けるが如き木立かな
⑧水澄むにまかせて不破の関の址
⑨水澄みて奥の細道結ぶ地は
⑩水澄みし眼科を辞して米をとぐ
⑪門入れば無住の堂に水澄みぬ
⑫水澄むや動かぬ蟹の白い腹
⑬何事もなかりしがごと水の澄む
自由題
①裏座敷蝉蕩尽の一日かな
②生命や月下美人の花が咲き
③木槿さく隣国ひとつにを願ふ
④馬になり去年より重し孫の夏
⑤朝顔や母といてまず死ぬ話
⑥流れ着く茄子の供物や天の川
⑦炎天に蟻群がりぬ欲の塊
⑧酸漿の鳴るくちびるに耳寄せて
⑨父と母この居間で逝き夏すだれ
⑩お囃子に合わせ下駄鳴る郡上の夜
⑪六畳の裸電球秋暑し
⑫端居してこれぞ極楽あまり風
さて、力作のそろった8月。
句会での風は?