7月24日、海上の森を歩いていると、緑色の葉が一面に落ちている。そんなに風が強かったかな、など言っているうち葉は森全体に落ちているのではなくコナラの周りだけに落ちていることに気づいた。海上の森にはコナラが多い。その日気がついたのは、5,6本のコナラで、ついに海上の森にも魔の手が伸びてきたことを実感した。
私達が、気づき始めたのは、一昨年ぐらいからで、それも長野や岐阜県での森の真夏の紅葉である。緑の森にところどころまっ茶になっている木があるのだ。キクイムシのせいだと教えられた。
調べてみると、被害は1980年代の後半頃、日本海側で拡がり始め今や全国に及んでいる。夏カシノナガキクイムシが、繁殖のため木に穴をあけ入り込みその体にについているナラ菌が材部に入ると黒褐色に変色し、水を通す能力を失い枯死する。カシノナガキクイムシが入り込んで枯死するのは、ナラ類のミズナラ、コナラなどや、シイ類のウラジロガシ、マテバシイなどであリ、ブナ科の樹木だけに被害がある。。しかしその被害は大きい。
さて、このナラ菌は、いわゆるカビであるが、新しく見つかった種で、明らかになっていないことの多くあり、「ナラ菌」の名前も仮の通り名だそうだ。ナガキクイムシ科の昆虫のカシノナガキクイムシは在来種であるし、ナラ菌も依然からあった。というのは、この虫の多くのメスは、ナラ菌がないと産卵できないし、生まれてきた幼虫はナラ菌を食べて成長する。成長し、飛べるようにならと、ナラ菌を体に取り込んで別の木まで運ぶ。では、なぜナラ枯れの被害が大きく目立つようになっか。それは昭和30年年代の燃料革命で、薪や炭が使われなくなって木を伐らなくなり、老木が増え、それが被害にあっているという。また、地球温暖化も一因といわれている。
ネットで調べていると、マツ枯れのように全部の木が被害に会うわけではないから、大丈夫という記事や、景観が悪いのが問題という記事もあった。私はそんなことではなく、知らない間に重要なことが起きつつあり、それが私達の生活の変わりように起因していることに恐ろしさを感じている。