575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

鴻毛のかろきに焼けし飾り雛    岡本眸

2012年03月10日 | Weblog
今日10日は東京大空襲のあった日。
岡本眸さんの句集「午後の椅子」を読んでいたら出会った句です。

回想  昭和二十年三月東京空襲にて被災二句
としての2つの句のなかの一句。
もう一句は

  白き息かたまり吐きて誰も泣かず

東日本大震災のことを詠ったかのようです。
日本全国で都市がアメリカ軍に空襲されました。
名古屋でも沢山の人が亡くなったり怪我を。

鴻毛のかろき。人の命を鴻毛のように軽い。
それを当たり前のこととしていた時代でした。
鴻毛のかろきに焼けし、という、
さりげない表現に作者の強い思いが伝わってきます。

                      遅足



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春雨や起きてはいるが多米の山      朱露

2012年03月10日 | Weblog
    「山眠る」は冬の季語だから起きている。
    下界の人間どもは四季には関係なく眠る。
    もう九時だというのに寝静まったままだ。
    変だと思ったら人間の世は土曜日だった。

                


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