575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

特急の気動車がゆく   鳥野

2012年03月13日 | Weblog
誘われて、春未だの高山へ行くことに。

久しぶりの高山線です。

名古屋始発の高山本線、「ワイドビューひだ」はなかなかの設え、発車して
気がつくと懐かしい駆動音を響かせています。

そうなんです。気動車なんです。

未電化の区間を走る特急列車は「ひだ号」と紀勢本線の「南紀号」だけ。

スピード感は今ひとつですが、それさえも快く、通過する駅名もよく読み取れます。

やがて、飛水峡、中山七里を過ぎて下呂から萩原町。この辺りで、艶な道標を通過しました。

「お美津稲荷」とありました。その昔、益田街道一番の親分狐が、美津という美女に化けては村人を困らせていたのを、お坊様の法力で改心。やがて子を産み、商売繁盛の守り神になったとか。

山里に伝わる暖かな話を、車窓から拾うことが出来るのも、それなりの速度なればこそ。

気動車のあの警笛を響かせて、終着駅に停車した時、高山は雪でした。

 ・ 特急の気動車がゆく奥飛騨路 喘ぎつつ山の脊梁を越ゆ

                       鳥野
コメント (1)
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