575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

「葡萄」句会近づく。     遅足

2012年09月12日 | Weblog
9月句会が近づいてきました。今回の題詠は「葡萄」です。
葡萄など、果実は美味しい。
これは、鳥や獣たちに食べてもらい、糞に混じった種を
遠くに運んでもらうため。
移動の自由の無い植物たちのサバイバル戦略。
人間は果実をどんどん甘くし、ついには種無し葡萄を作り出しました。
ここまで来ると、葡萄にとっては有難迷惑でしょうね。

葡萄を詠んだ句。

  葡萄あまししづかに友の死をいかる  西東三鬼

友人が死んでしまった。そのことを怒っている自分。
そして、もう一人、葡萄をあまいと感じて食べている自分。
キリスト教的に言えば、霊と肉の相克でしょうか。
この友は篠原鳳作。

  しんしんと肺碧きまで海の旅   篠原鳳作

30歳の若さで亡くなっています。

  広島や卵くふ時口ひらく    西東三鬼

この句に通じるものがありますね。

  初恋にはやき晩年マスカット   遅足


コメント
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