575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

問わずとも風の色はや秋の声     静荷

2012年09月06日 | Weblog
もう秋かな?と尋ねる前に、風を御覧なさい。もう秋の色ですよ。
問うているのは、誰でしょうか?友人?
あるいは、自分で自分に問うているのでしょうか?

この句の背景にあるのは、古今和歌集、秋の歌。

  秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる

藤原敏行の歌です。
作者は、子供の頃から百人一首で遊んだそうです。
それも夏を除く一年間。百人一首の藤原敏行の歌は

  すみの江の岸による浪よるさへや夢のかよひぢ人目よくらむ

短歌の素養のあった方が、俳句を倍楽しめるかも知れませんね。
古今集にこんな歌もあります。

  吹く風の色のちぐさに見えつるは 秋のこのはの散ればなりけり

吹く風がいろんな色に見えたのは、さまざまな色の木の葉が散るからですね。
よみ人しらずの歌で、作者は不明です。

                         遅足
コメント
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