575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

廃線は去年(こぞ)と言ふらし秋の声    結宇

2012年09月09日 | Weblog
久しぶりにローカル線の駅を訪ねたのでしょうか?
そこも廃線になっていました。
岐阜県の旧神岡鉄道では、廃線を観光に再利用、
線路のうえをレールマウンテンバイクで走る遊びが
人気を呼んでいるそうです。

明治時代、汽笛一声、新橋を基点にスタートした日本の鉄道。
大正、昭和と躍進。とくに先の大戦を挟んだ昭和は鉄道の時代でした。
東京・大阪間を走る特急つばめは、憧れの的でした。
また絵本には旧満州を走る超特急の勇姿もありました。
東京オリンピックの年には、新幹線も開通しましたが、
いつの間にか自動車の時代に変っていきました。

赤字に転落した路線は、国鉄、私鉄ともに廃線に次ぐ廃線。
日本中で一体、どれだけの鉄道が廃線になったのでしょうか?
句の鉄道もついに廃線の運命を免れることは出来なかったようです。
廃線は去年というらし、という表現には、鉄道への愛着が感じられます。
錆び付いた鉄路を見ながら聞いた秋の声。
作者の耳に届いたのは、子供たちの声だったそうです。

                           遅足


コメント
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