575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

旅する秋刀魚

2012年09月18日 | Weblog
「あわれ秋風よ 情あれば伝えてよ 男ありて今日の夕餉に
 ひとりさんまを食ひて 思いにふけると・・・」

南紀勝浦の駅前に建つ、佐藤春夫の歌詩碑。その前で友人はしみじみ
と言いました。「秋刀魚って寂しいサカナなんだね」遠いむかしのことです。

安価で滋養たっぷり、その上に美味と親しまれているさんまは、はるばると旅を
する魚。
北太平洋の千島列島あたりで生まれ、南下して秋の味覚になります。

歳時記によれば「江戸時代には人気がなかったからか、季語にはならず、
見直されたのは、現代になってから」とのこと。

銀光に包まれ、小太刀めく魚形。口元にちょっと黄色を差して顔つきは魅力的。
今夜は塩焼きに、と思っても、コンロの炭火がないのは残念。

 ・ 厨までいかなる旅路をたどりしか秋刀魚のまなざし澄みて健やか

                          鳥野
コメント (1)
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