何気なく歳時記を繰っていて、胡麻が秋の季語と
知りました。思い出すのは母のこと。
戦後の食糧難のころ、僅かな土地を借り、見よう
見まねでイモなどを作っていました。そして「胡
麻」も。
ひもじい日々の足しにもならず、薬味か嗜好品に
過ぎない「胡麻」を何故。
食卓に載せるまでの大変な手間。刈り取って、干
して叩いて実を集め、ゴミを選り分けて、ようや
く製品。工面して手に入れた炭火で煎りあげると
いう業も要るのです。
母の胡麻つくりは若しかして、母の息抜き、母の
気骨。農家ばかりの田舎へ子連れで疎開し、「非
農家という理不尽な扱い。コメやイモ作りは不器
用でも、せめて胡麻くらい。そんな母でした。
言い分は明日に回し胡麻を煎る 鳥野
知りました。思い出すのは母のこと。
戦後の食糧難のころ、僅かな土地を借り、見よう
見まねでイモなどを作っていました。そして「胡
麻」も。
ひもじい日々の足しにもならず、薬味か嗜好品に
過ぎない「胡麻」を何故。
食卓に載せるまでの大変な手間。刈り取って、干
して叩いて実を集め、ゴミを選り分けて、ようや
く製品。工面して手に入れた炭火で煎りあげると
いう業も要るのです。
母の胡麻つくりは若しかして、母の息抜き、母の
気骨。農家ばかりの田舎へ子連れで疎開し、「非
農家という理不尽な扱い。コメやイモ作りは不器
用でも、せめて胡麻くらい。そんな母でした。
言い分は明日に回し胡麻を煎る 鳥野