575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

豊橋てふ配所の月や清々し     朱露

2015年09月12日 | Weblog
朱露さんの句を調べていたら半歌仙「FEN」が。
FENは、Far East Network(極東放送網)の略。
太平洋戦争中に米軍兵士を激励するため始まったラジオ放送。
終戦直後から在日米軍向けに放送。
当時の日本の若者達を魅了したとのこと。
朱露さんもその一人。

発句  天地の開け初めにしFENの夏   朱露

脇   麦藁帽子にトマトを入れて     遅足

第三  CBCでも受けてみるかと西瓜食い 朱

第四  入社して聞く笛の鳴る音      遅

そして第五句目が     

    豊橋てふ配所の月や清々し     朱

もともと箱根の山より東に生まれた朱露さん。
運命のいたずらか、名古屋のCBCに就職。
当時の青年の常として、組合活動も熱心でした。

四句目は私の句、入社した昭和40年4月1日
組合はストライキに突入。笛が館内に鳴り響きました。
朱露さんも鉢巻をしてストに参加。
会社側の反撃・・・豊橋に配置転換に。
そんな背景がある句です。

本業はアナウンサーだった朱露さん。
インタビューの極意をこう記しています。

インタビューによって、相手が新しい自分を発見、
同時にアナウンサーも新しい自分を発見することである。

            

応答の一日一句

  爆音の途切れしままに地虫鳴く   孝

  遠ざかる爆走の音地虫鳴く     亜子

コメント
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