575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

ふく志るも喰へば喰せよきく乃酒   芭蕉

2015年12月14日 | Weblog
岐阜県の各務原市にある鵜沼宿を訪ねてみました。
中仙道の六十九次のうち五十二番目の宿場町。
近年、街並みの整備が進み、脇本陣の坂井家も復元されました。
ボランテイアのガイドさんに案内して頂きました。
その坂井家を訪れた芭蕉が詠んだのが冒頭の句です。
鵜沼は海から遠く河豚汁はなかったのではないでしょうか?
一説には鯰のことでは?とも言われています。
河豚と言えばこの句。

  あら何ともなやきのふは過てふくと汁

河豚の調理法が確立していなかった時代。グルメも命がけ。

菊の酒とは、重陽の節句に飲む菊の花を浸した酒のこと。
長寿になるとされるお目出度い酒です。
もし河豚汁が出されても、私は平気ですよ。
長寿を保障する菊の酒があるじゃありませんか、
と、菊の酒を褒めた機知の句ではないでしょうか?
この句を芭蕉自らが刻んだという珪化木の句碑もありました。

数多くの旅籠のならんだ鵜沼宿。武士や町民が行き来しました。
幕末には皇女・和宮など多くの旅人がここを通って江戸へ。

  勤王も佐幕も冬の影法師  遅足

木曽川をはさんだ対岸には犬山城があります。
あわせて一日、ウォーキングも楽しめるところです。
             (写真は鵜沼宿です)



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