等さんから句集「岩ひばり」を頂きました。
学習院俳句会の第十二句集です。第一句集は昭和三十二年。
そのなかの岡田日郎さんの一句。
天涯に雲たむろせり岩ひばり
この句からの命名だそうです。
等さんの句をいくつか紹介します。
「もう惚けた」てふ人長閑地蔵通り
東京・巣鴨の地蔵通り。お年寄りの町の風景。
同年齢の人といれば、気も楽に。長閑に過ごすことも出来ます。
余裕の心からユーモアが生れます。
鳥帰る海の涙の浜小石
鳥帰るは、秋に来た鴨などが北へ帰ること。
花を迎える明るさのなかに、別れの寂しさも感じられる季節。
取り合わせたのは、海の涙の浜小石。
寄せては返す波に身をまかせている小石。
涙の浜小石と表現するリリシズムの持ち主です。
花呑みぬややありて鯉吐き出しぬ
写生の模範のような句。映像がくっきりと浮かんできます。
等さんの句はしっかりした観察眼。それを詩にするリリシズム。
ユーモア感覚。三拍子揃っています。
さらに俳句を豊かにしているのが絵画の知識。
ピカソなど有名な画家の名が季語に準ずる効果をあげています。
(遅足)
学習院俳句会の第十二句集です。第一句集は昭和三十二年。
そのなかの岡田日郎さんの一句。
天涯に雲たむろせり岩ひばり
この句からの命名だそうです。
等さんの句をいくつか紹介します。
「もう惚けた」てふ人長閑地蔵通り
東京・巣鴨の地蔵通り。お年寄りの町の風景。
同年齢の人といれば、気も楽に。長閑に過ごすことも出来ます。
余裕の心からユーモアが生れます。
鳥帰る海の涙の浜小石
鳥帰るは、秋に来た鴨などが北へ帰ること。
花を迎える明るさのなかに、別れの寂しさも感じられる季節。
取り合わせたのは、海の涙の浜小石。
寄せては返す波に身をまかせている小石。
涙の浜小石と表現するリリシズムの持ち主です。
花呑みぬややありて鯉吐き出しぬ
写生の模範のような句。映像がくっきりと浮かんできます。
等さんの句はしっかりした観察眼。それを詩にするリリシズム。
ユーモア感覚。三拍子揃っています。
さらに俳句を豊かにしているのが絵画の知識。
ピカソなど有名な画家の名が季語に準ずる効果をあげています。
(遅足)