575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

薄氷の割れてピカソの顔となる  等

2015年12月12日 | Weblog
等さんから句集「岩ひばり」を頂きました。
学習院俳句会の第十二句集です。第一句集は昭和三十二年。
そのなかの岡田日郎さんの一句。

  天涯に雲たむろせり岩ひばり  

この句からの命名だそうです。
等さんの句をいくつか紹介します。

  「もう惚けた」てふ人長閑地蔵通り

東京・巣鴨の地蔵通り。お年寄りの町の風景。
同年齢の人といれば、気も楽に。長閑に過ごすことも出来ます。
余裕の心からユーモアが生れます。

  鳥帰る海の涙の浜小石

鳥帰るは、秋に来た鴨などが北へ帰ること。
花を迎える明るさのなかに、別れの寂しさも感じられる季節。
取り合わせたのは、海の涙の浜小石。
寄せては返す波に身をまかせている小石。
涙の浜小石と表現するリリシズムの持ち主です。

  花呑みぬややありて鯉吐き出しぬ

写生の模範のような句。映像がくっきりと浮かんできます。
等さんの句はしっかりした観察眼。それを詩にするリリシズム。
ユーモア感覚。三拍子揃っています。
さらに俳句を豊かにしているのが絵画の知識。
ピカソなど有名な画家の名が季語に準ずる効果をあげています。
                         (遅足)





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