575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

産まぬ性であることの虚しさ。   遅足

2017年08月29日 | Weblog
先日、奥さんと一緒に富山へ行ってきました。
目的は、観光にあらず、未来短歌会のシンポジューム。
今年のテーマは「家族詠の現在」
短歌の世界で家族がどのように詠まれているのか?
介護・男子による子育て・家族と暴力など・・・
佐伯裕子さんら4人の歌人が活発な討論を。

私が一番びっくりしたのは次の歌です。

  吾児の歯を真先に知る乳首羨し南瓜(バターナッツ)を裏漉ししつつ

奥さんが子供の歯が生えるようよ、と作者に告げました。
女性のような乳房のないことを残念に感じたという歌。
産まない性であることをマイナス・イメージでとらえる感覚。
思わず「うーん」と考え込んでしまいました。
作者は黒瀬珂瀾さん。(現在NHK短歌の選者)
黒瀬さんの歌を紹介した高島裕さんの歌。

  一滴の乳を生(な)さざる男の身寂しきままに梅も過ぎたり

同じ虚しさを詠っています。
みなさんはどのように思われます?

        

富山は城下町。路面電車の走る街。
美味しい食べ物にめぐりあう街。
もう一日滞在したいと思わせる街でした。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする