575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

晩春句会   麗

2018年04月19日 | Weblog
今日の名古屋は夏日の予想です。昨日の句会はまさに晩春に行われました。

晩春にはなぜか嘘が似合うことがわかりました(笑)では、一言講評です。

題詠「晩春」

①晩春やほこりのような嘘をつく

なぜか女性ばかりが選句しました。どんな嘘でしょうか?払えば消えてしまうような軽い嘘。でも溜まるとやっかいなことに。乾燥も激しい晩春、巧みな一句です。

②晩春や黒猫抱き坐す男

菱田春草の絵を思い浮かべた方も。実景で黒猫を抱いて座っていた男性。作者は黒猫が動いてどきっとしたそうです。

③晩春や十分生きたと夫の嘘

今月のトップ賞です。十分生きたという夫の言葉。揺れ動く心の内。しみじみとした一句です。まだまだ十分ではありませんよ!遅足さん。

④晩春の街路樹匂ふ雨あがり

写生句。雨上がり、新緑の青っぽい匂いが漂います。

⑤晩春や同窓集う絵画展

きわめて俳句らしい俳句。展覧会に集う同窓生。作者の奥様の絵画展でした。

⑥老人(おいびと)に添ふ晩春のぬるさかな

老人に寄り添う介護俳句と思いきや、ご自身の今の心境を「晩春のぬるさ」と詠まれました。刺激的ではない今の日常全てがしっくり来るそうです。

⑦晩春の売り場の帽子恋を待つ

夏に向けた帽子が売り場に並んでいます。かぶってどこかにでかけ、恋が始まるのか?帽子自身の恋か?

⑧晩春のヘリの音激し白い空

中八が少し字余りでもったいないとのアドバイスあり。何のヘリでしょうか?事故、事件?

⑨晩春や磯の水鳥身じろがず

のどかな晩春の写生句。

⑩晩春のカップラーメンに湯を注ぐ

「憂春」と思い作られたとか!それならかなりの得票を集めたことでしょう。


⑪古街道半里を守る晩き春

宿場町はおよそ半里ほどあるそうです。木曾街道でしょうか?往時がしのばれます。


⑫晩春や暮れの吐息がこぼれゆく

一日の終わりにふっとこぼれる吐息を詠みたかったのですが。。。

⑬晩春の夢から覚める豆腐売り

うとうとと眠い夕方。現実に引き戻される豆腐やの笛か鉦でしょうか?

⑭晩春や北の大地へ旅立ぬ

北へ帰る渡り鳥の俳句と思いきや、春の人事異動の俳句。北海道へ赴任となりました。


いかがでしたでしょうか?
なんとなくもの思いや憂いに満ちた晩春。あっという間に夏がやってきました。
季節の移り変わりが今年はことの他早いようです。

来月は「夏」のついた俳句です。
夏の月、夏あざみ、夏シャツなど。。。

そうそう、えみさん!安藤さんが是非句会に顔を出してくださいとのラブコールです。
しばらくぶりの方もぜひいらしてくださいね。YWCA301号室でお待ちしています。
コメント
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