梅雨らしい雨の昨日、無事に句会が行われました。前日、タイミングよくお隣さんから頂いた「佐藤錦」をお裾分け。実際にさくらんぼをほおばってからの句会となりました。
食べるのは簡単、俳句にするには難しい「さくらんぼ」でした。
では恒例の一言講評です。
題詠「さくらんぼ」
①初デートフルーツパフェのさくらんぼ
初デートの甘酸っぱさとフルーツパフェの上にあるさくらんぼ。それぞれの初デートの思い出話に。初デートにさくらんぼの種をはき出せるか?という問題も。
②さくらんぼ天仰ぎつつ咥へけり
ワイルドな一句。さくらんぼを食べる時はどうしても天を仰ぐ形になりますね。サクランボ狩りの様子でしょうか?
③ハミングを五線譜に乗せさくらんぼ
さくらんぼを四分音符に見立てる心はずむ一句。五線譜に乗せるところはドラマ「半分、青い」のテーマ曲のようです。
④さくらんぼ青絵に競へ遊亀の鉢
日本画家、小倉遊亀の青絵の鉢。そこに乗せられた真っ赤なさくらんぼでしょうか?
⑤発見す弾性球体桜の実
あえて「桜の実」と詠まれました。さくらんぼの張りのある弾力と形ととりましたが、物理の実験などで使う銀色の弾性衝突する球のようだと発見されたみたいです。なるほど。
⑥屈託の顔の手土産さくらんぼ
さくらんぼを手土産にした屈託のある顔。これは訳ありの相談事だと作者は感じたそうです。
⑦叱られた思い出の日々さくらんぼ
なぜか叱られたあの日々を懐かしく思い出します。取り合わせが面白いですね。
⑧頬押せば丸く飛び出すさくらんぼ
幼子でしょうか?小さな口にさくらんぼをふくみ、そのほっぺを押すと丸くそのまま飛び出します。一瞬の愛らしさをとらえた巧みな一句。
⑨独(ひと)り居の幸せを噛むさくらんぼ
誰にも遠慮せずさくらんぼを食べられる幸せ。自立した女性の一句です。
⑩かなしくて赤いチェリーを食べにけり
なぜか悲しい日。チェリーの赤色に励まされ癒されることもありますね。
⑪さよならはわたしからいうサクランボ
これまたドラマ「半分、青い」からの台詞。「さよならはわたしから。」意味深だけどなぜかフィットしますね。
⑫さくらんぼの歌唄ってつまむさくらんぼ
「黄色いさくらんぼ~」と歌いながらさくらんぼをつまみます。これも独り居の幸せですね。
いかがでしたでしょうか?ちょっとぜいたくなさくらんぼ。それぞれの生活のシーンに出て来ました。
写生よりも取り合わせの妙に広がりがあるような季語でした。
来月は難しい季語に挑戦することになりました。
「浮き草」です。
ちょっと頼りないはかない感じでしょうか?
またがんばりましょう。次回は7月18日。YWCA301号室です。