人はどんな時に空を仰ぎ、天を意識するのでしょうか?
自分の思うようにモノゴトが進まない時。
あるいは人間の小ささを感じた時でしょうか。
天を仰ぐ、という表現に加えて、食べるではなく、咥えると続きます。
作者の心には屈折したものがあるのでは?と、読んだ方も。
また、サクランボ狩りの様子を詠った句とも読めます。
柄を持って食べるので、自然に天を仰ぐかたちに。
あるいは、木にぶら下がったままの実を口にしたくなって・・・。
さくらんぼという小さなモノを詠んだ句ですが、
「天」という言葉が世界を大きくしています。(遅足)
燕子花道はこれより天の原 高野ムツオ