青絵とは、青を主調とした顔料で上絵付けをした陶磁器。
遊亀は、日本画の小倉遊亀(おぐらゆき)さん。
大津市の生まれで、安田靫彦に師事。
上村松園とともに日本を代表する女性画家だそうです。
小品に陶磁器の小鉢に果物を盛ったものが多くあります。
こうした知識を得たうえで、句を読んでみました。
主語は「さくらんぼ」。動詞は「競へ」。
遊亀の絵のような青絵と、美しさを。
さくらんぼは、遊亀の描く青絵のような鉢に置いたら、
美しさも際立つことだろう、という句と読みました。
作者の意図とはズレているかも知れません。
絵といえば、こんな句をみつけました。
絵の中に雨音が消え額の花 北村美都子
額の花の咲いている雨の美術館でしょうか。
絵に熱中して雨音が気にならなくなったのでしょう。
多分、そういう体験を踏まえている句ですが、
絵の中に雨の音が消えていった・・・という表現には、
不思議な感触がありませんか? 遅足