郊外に引っ越しました。暗闇をわけるように聞こえてくる。
「ブオー、ブオー」という鳴き声。牛蛙です。
ウシに似た鳴き声は、数キロメートル離れていても聞こえるとか。
この牛蛙、戦前に東京帝国大学の教授がアメリカから輸入したのが最初。
戦後には、年間数百トンのウシガエルが食用として養殖されたそうです。
この時、餌として輸入されたのがアメリカザリガニだとか。
味は鶏肉、特にササミに似て、肉は脂がほとんど無いため、
炒め物やフライとして食べることが多いとのこと。
結宇さんが、昔住んでた家のすぐとなりが牛蛙の住処。
戦後の事、売るためにアセチレンガスの灯をともして、
漁に来たのを覚えてます、とのこと。
その声は哀れでもあり、やかましくも聞こえて。
中七の「暗闇わけて」は、牛蛙たちが縄張りを分け合ってとも読めます。
(遅足)