575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

花冷えや駅弁の紐うすみどり  狗子

2019年05月13日 | Weblog

花冷え。桜の咲くころ、冷え込むことがあります。
そのひえびえとした感じを「花冷え」といいます。
早春の春寒とは違い、暖かくなってからの冷え込みです。
そんな気候を花冷えと名付けた古人のこころに脱帽です。

作者は旅の途上なのでしょうか。
駅弁を買って、さあ食べようと紐に手をかける。
そこに「うすみどり」の色を発見した。
ささやかな美を感じたのでしょう。
その小さな驚きが句になりました。

駅弁の紐、という普通なら気にもかけないモノに目が留まる。
作者のこころには小さな屈託があったのかも知れません。
575の小さな器に小さな美。
俳句らしい良い句だと思います。(遅足)
コメント (1)
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