花冷え。桜の咲くころ、冷え込むことがあります。
そのひえびえとした感じを「花冷え」といいます。
早春の春寒とは違い、暖かくなってからの冷え込みです。
そんな気候を花冷えと名付けた古人のこころに脱帽です。
作者は旅の途上なのでしょうか。
駅弁を買って、さあ食べようと紐に手をかける。
そこに「うすみどり」の色を発見した。
ささやかな美を感じたのでしょう。
その小さな驚きが句になりました。
駅弁の紐、という普通なら気にもかけないモノに目が留まる。
作者のこころには小さな屈託があったのかも知れません。
575の小さな器に小さな美。
俳句らしい良い句だと思います。(遅足)