花の塵。
散った桜の花を塵にみたてた言葉。春の季語です。
築地(ついじ)。
築地塀のこと。京都の御所などの築地塀は立派です。
この句「築地のつづく」とありますから大きな建物ですね。
札所。
巡礼者が参拝のしるしとして、札を納めたり受け取ったりする所。
三十三所の観音の霊場、八十八所の弘法大師の霊場など。
桜の花が散っている道。道に沿って築地がめぐらされています。
立派なお寺でしょうね。四国八十八か所の札所の一つでしょうか。
一幅の絵を見るような美しい句です。
季語に中七下五の景を取り合わせた模範的な一句です。
下五に具体的なお寺の名を入れてもよいと思います。
遍路の荷おろす床几に花の塵 深川正一郎
今生は風のつづきの花の塵 坂本敏子
ただのごみになりかけてゐる花の塵 辻桃子
燃えるゴミに掃きよせておく花の塵 竹内弘子
いずれも花の塵という季語を生かした句。
どの作り方が正解ということはありません。(遅足)