575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

空蝉句会の投句が集まりました。

2020年08月24日 | Weblog

いつまでも暑い日が続いています。
コロナウイルスの脅威も増してきています。
せめて俳句で遊び、こころの自由を楽しみたいですね。
兼題の空蝉。こんな句が集まってきました。

兼題「空蝉」
①空蝉や現世の壁にしがみつき
②空蝉の重き一生風吹きぬ
③空蝉の背中開けたり「蟻と蝉」
④空蝉に 風のきてをり 透きとほる
⑤空蝉や思想史の書にじりじりと
⑥空蝉の飴色加賀の飴の色
⑦空蝉や 軽き薄衣<うすぎぬ> 残しけり
⑧空蝉の離さぬ過去や爪の先
⑨空蝉にいのちの余韻ありにけり
⑩空蝉や吾(あ)の空蝉の古写真
⑪一年(ひととせ)を経て空蝉の固さかな
⑫空蝉は地中の夢の発射台
⑬空蝉や背中パックリがらんどう
⑭空蝉のまなこは空に憧れる
⑮空蝉や風と戯れ森の中
⑯黙祷のサイレンを聞く蝉の殻

自由題
①干す香り梅と太陽ゴザの上
②新盆の母連れて来し驟雨かな
③抜け殻の寄り添うように落し文
④一日の憂いまとめて髪洗ふ
⑤この世から足を外せる蝉の殻
⑥蝉の殻墜(お)ちて仰向け兵のごと
⑦涼しさや友のメールの岩桔梗
⑧滝しぶき苔皆立ちて踊りたる
⑨天空に 描くW 鳥渡る
⑩石文の掃除する背や青芒
⑪盆支度母の残した料理帖
⑫やっと木に登れば痛し空蝉の背ナ
⑬羽化の蝉檜に戻す夜明けかな
⑭空っぽの 空蝉にある 四十度
⑮虫食いに文字と認めし夏落ち葉
⑯冷蔵庫役目を終えて広々と

     

空蝉やわきたつ雲とかくれんぼ

推敲の途中で生まれた句。私の好きな句です。
どなたの句とは言いませんが。遅足

コメント
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