575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

空蝉句会の結果です。

2020年08月26日 | Weblog
ご覧のような結果となりました。飴色の空蝉、いのちの余韻が浮かびあがりました。
空蝉にかわって蝉の亡骸が目につくようになりました。

兼題「空蝉」
① 空蝉や現世の壁にしがみつき(麗子)殿・等・狗子
② 空蝉の重き一生風吹きぬ (等)竹葉・紅
③ 空蝉の背中開けたり「蟻と蝉」(千香子)殿
④ 空蝉に 風のきてをり 透きとほる(殿)紅・泉・佐保子・遅足
⑤ 空蝉や思想史の書にじりじりと(結宇)狗子・遅足・晴代・千香子
⑥ 空蝉の飴色加賀の飴の色(晴代)結宇・能登・泉・遅足・亜子・すみ
⑦ 空蝉や 軽き薄衣<うすぎぬ> 残しけり(紅)麗子・殿・能登・泉・すみ
⑧ 空蝉の離さぬ過去や爪の先(竹葉)等・結宇・郁子・能登・すみ
⑨ 空蝉にいのちの余韻ありにけり(亜子)麗子・紅・郁子・狗子・佐保子・晴代
⑩ 空蝉や吾(あ)の空蝉の古写真(佐保子)竹葉
⑪ 一年(ひととせ)を経て空蝉の固さかな(遅足)竹葉
⑫ 空蝉は地中の夢の発射台(郁子)晴代
⑬ 空蝉や背中パックリがらんどう(すみ)
⑭ 空蝉のまなこは空に憧れる(能登)麗子・亜子
⑮ 空蝉や風と戯れ森の中(泉)等・千香子
⑯ 黙祷のサイレンを聞く蝉の殻(狗子)結宇・郁子・亜子・佐保子・千香子


自由題
① 干す香り梅と太陽ゴザの上(泉)すみ
② 新盆の母連れて来し驟雨かな (能登) 麗子・結宇・亜子・佐保子・遅足・すみ
③ 抜け殻の寄り添うように落し文(狗子)竹葉・等・紅・
④ 一日の憂いまとめて髪洗ふ(郁子)結宇・紅・能登・亜子・晴代・千香子
⑤ この世から足を外せる蝉の殻(遅足)殿・紅・狗子・千香子
⑥ 蝉の殻墜(お)ちて仰向け兵のごと(亜子)郁子
⑦ 涼しさや友のメールの岩桔梗(佐保子)
⑧ 滝しぶき苔皆立ちて踊りたる(竹葉)麗子・殿・等・郁子・能登・泉・遅足
⑨ 天空に 描くW 鳥渡る(紅)殿・亜子
⑩ 石文の掃除する背や青芒(晴代)泉・狗子
⑪ 盆支度母の残した料理帖(麗子)結宇・郁子・能登・泉・佐保子・すみ・千香子
⑫ やっと木に登れば痛し空蝉の背ナ(等)
⑬ 羽化の蝉檜に戻す夜明けかな(千香子)竹葉・晴代
⑭ 空っぽの 空蝉にある 四十度(殿)麗子・竹葉・等・
⑮ 虫食いに文字と認めし夏落ち葉(結宇)狗子・晴代
⑯ 冷蔵庫役目を終えて広々と(すみ)佐保子・遅足

コメント (1)
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